本『スマートシティ・ビジネス入門』-スーパーシティとの違い
2012年の本で、いまさら入門なんてどうかと思いつつ読みました。
ちょうどいまスーパーシティも話題になってるし、読み終われてよかった。
○著者
望月洋介
日経BP社日経BPクリーンテック研究所長、Smart City Week委員長。2012年1月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
○内容
1.背景
都市部の爆発的な人口増加。1950〜2050年の100年間で、世界人口は20億人から90億人になり、都市人口比率は急上昇している。
特に日本では高度経済成長の時代に都市化が進んだため、インフラの老朽化も課題になってきている。
2.各国のプロジェクト
スマートシティには明確な定義はない。関連する業界も多岐に渡る。
キーワード:
・スマートグリッド(電力IT)
・次世代自動車(カーシェアリング含む)
国ごとに目的が異なる。インフラを整えた上に新たなビジネスを目論むアメリカ、環境負荷低減を目的とするヨーロッパ、住むところを作るための中国…等。
2012年地点で4000兆円の市場のポテンシャルがあると考えられていて、各国が力を入れて活動していたのも納得です。(世界スマートシティ総覧2012)
・アメリカ
電力事業者に加えて、IBMやcisco、intel等IT企業がプロジェクトの主体。スマートメーターを普及させ、新たな産業を興す。
・ヨーロッパ
企業よりも都市が先導する。
広域プロジェクトの代表は、デザーテック(サハラ砂漠にて太陽光発電・風力発電、送電して欧州の使用電力を補う)。
・中東、北アフリカ
原油は資源として出荷するため国内ではあまり使用できず、エネルギー不足が深刻化。
「マスダール・シティ」を契機にプロジェクトが広がる。
国家戦略として都市開発ソリューションを海外へ輸出する目論み。
一例として、水ビジネスでは、研究機関を集めたり、国際会議(SIWW)を開催しビジネスを生んだりしていて、つぎにエネルギーやスマートシティに焦点を当てている。
・その他
インド、インドネシア、韓国、ブラジルに関しても記載ありましたが省略。
・日本
実証実験の取り組みが2010年スタート。横浜市、北九州市、豊田市、関西文化学術研究都市にて。
***
私の地元北九州は公害を乗り越えた町として知られますが、そこで「北九州スマートコミュニティ創造事業」というのが行われていたそう。知らなかった。日本製鉄が持っていた電力線を使って、電力料金を変更。
https://www.smart-japan.org/english/vcms_cf/files/Kitakyushu_Project_Japanese.pdf
***
環境=温暖化対策というだけでなく、雇用創出や高齢化対策等、日本の将来に向けた課題対策を行っている。ただし個別の都市で取り組んでおり、その連動性は薄い。
3.実現に向けた課題
・モノ売りではなくビジョン・ライフスタイル提案を
行政主体ではなく民間主体となるために、事業化を進める必要がある。しかし日本の企業が海外に提案するのは各技術(例えば監視機器そのもののクオリティの高さをアピールする)に偏り、ビジョンを掲げることができていない。
・情報戦
日本の情報力の弱さを、筆者は懸念しています。
情報を集める力と発信する力。提案力の不足。専門家は日本の技術を認めているが、スマートシティ構想に関わる政府や自治体、市民には認識されていない。企業も良い製品を作れば売れるという考え方を捨てきれていない。例えば電子部品産業の紹介を日本語と英語のみで行っており、中国語がないとか。
また、日本企業が海外展開するときに「ヒト」「モノ」「カネ」は送り込むけれども、「情報」が足りていないと筆者は言います。これはこないだのコンサルの本に書いてあった通り、「企業のグローバル展開は①海外に拠点がある、②海外拠点と情報のやり取りがある、③海外拠点とノウハウのやり取りがある、④海外拠点と人のやり取りがある」
の順に進むのに、日本は2つめのフェーズでつまずいています。はやくフェーズを進めないといけない。
ただ、ISOで実質的に規格を決定する組織SC1の幹事国・議長を、日本が永久的に務めることになっているそうで、これは強い。
情報の大切さ・トップに躍り出ることで世界標準化を主導できる、それによりその国の企業は有利になるといった話はトヨトミの野望でも語られていました。事実をもとにした小説なので、さすが現実に即していますね。
スーパーシティはこちら。
スマートシティが要素技術先行であったり、結局街づくりそのものにアプローチできていなかったりしたのを、もっと住民まで含めた動きにしていこうという感じ。
○感想
2012年当時各国がスマートシティに注目していたのがわかりました。
ちなみに福岡市での取り組みはこちらで書きました。
かなり古い本でしたが、基本的なことは理解できました。たくさんのプロジェクトの事例が載っていましたが、それらが現在どうなっているか調べることがなかなか難しい。(始まりは大々的に発表するものの、経過はあまり開示されない?)
もうちょっと近い時期に書かれた本を探してみます。
本『輝く社会のための女性活躍推進ハンドブック』
新卒採用に関わるなかで、知識が全然足りないなあと思ったので読みました。自分が大学生だった頃を思い出してみたり。
◯著者
清水レナ
株式会社CHANCE for ONE代表取締役社長
立命館大学経済学部卒業後、(株)リクルートコスモスに入社し経営トップの秘書として従事。2002年マンパワー・ジャパン(株)に移りキャリアコンサルタントとして人材マッチングに従事。その後、(株)コーチ・エィにてビジネスコーチとしてビジネスリーダー、マネジメントへのコーチング、企業研修に従事。2010年個人事務所設立を経て、2012年(株)CHANCE for ONEを設立し代表取締役社長就任。
◯内容
①なぜいま女性活躍推進なのか?
2014年、安倍首相が経団連に女性管理職・役員の登用を増やすよう要請、経団連会員企業の女性活躍推進に対する自主計画が続々と発表されました。また、同年女性活躍推進法が制定されました
その背景には、労働人口の減少があります。少子高齢化が進み、労働人口に対する高齢者の割合が増えれば、税金や社会保険料の負担が増えます。ではどうするか、未就労の女性の活用により労働人口を増やそう、という流れがあります。
そこで「2030」、2020年までに女性管理職の比率30%まで高めようという目標を、内閣府が掲げました。(※2019年度の結果を調べてみたけれど、平均7.7%と未達ですが。)
単純に労働人口を増やすだけであれば、管理職・役員登用は不要と考えられるかもしれませんがそうではありません。
女性の役員を増やすためには?
↓
女性の管理職を増やし育てる。そのためには?
※中途人材は市場に少ないため競争率が高くコスト大。
↓
女性の総合職を増やし育てる。そのためには?
↓
女性の正社員を増やし育てる。そのためには?
↓
女性の採用人数を増やす。また、非正規雇用を正社員に引き上げる、退職した女性を再雇用する等。
女性役員・管理職の人数を増やすことが義務化されると、多くの企業がこのように動き、その結果女性の総労働人口が増えるという考えです。
(どの会社も女性管理職比率を上げなければならなくなると、中途人材のコストが上がるというのが面白かったです。私の勤め先の中途女性役員も、相当お金もらってるんだろうな。先人がいない時代に、生き抜いてきた人はやっぱり強いし求められますね。)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p190803.pdf
(マイノリティも30%を超えると発言の影響力が増す。これは『女性のいない民主主義』でも書いてありました。政治でも企業活動でも同じね。)
また、女性活躍推進の効果として、少子化対策だったり(世界を見れば女性の就業率が高いほど出生率が高い)、男性社員にとっても働きやすい環境になったりといったものが挙げられます。
しかし、国としてもジェンダーギャップ121位(153カ国中)、そもそもの女性正社員・総合職・管理職候補生が少ない環境もあり、これまで女性活躍推進は実現しませんでした。
②実現のためにはどうしたらいいか?
1.「昇進意欲」と「時間的制約」で分析
自社の社員がどのタイプか、タイプが変化しているか、その原因はなにかを分析する。
例えば入社時昇進意欲あり・時間的制約無しという条件に男女差がなかったものの、30代社員を調査すると女性のみ昇進意欲無し・時間的制約ありに変わっているとする。
この原因は時間的制約があると昇進できない(減点対象となる)という制度上の問題にあるのか、管理職になると長時間労働しなければならなくなるというデメリットがあるからなのか等分析する。
※女性が時間的制約ありになるのは、結婚や出産、介護といった家庭内の性的役割分業の影響もあるけれど、これは別の本でまた勉強する。
2.採用・定着・登用のどのレベルで問題が起きているか分析
例えば入社当初から昇進意欲に男女の意識差がある場合は「採用」のフェーズに問題がある。
入社当初は差がなかったのに、年次が上がると差が生まれている場合は「定着」に問題がある。
年次が上がっても意欲が高い女性がいても、管理職になっていないのであれば「登用」に問題がある。
3.問題を細分化する
問題をより具体的なものにする必要があります。「女性が機会を得にくい」「女性が登用されにくい制度である」「女性自身の意識が醸成されていない」1、2で分析した問題の原因はどれに当てはまるのか。
具体的には、女性には難しいしごとを任せないといった機会損失が起きていないか、長時間労働ではなく生産性で評価する制度になっているか、スーパーウーマンをロールモデルにおいていないか(私にはできない、という意識を持たせる原因になる)等々。
また、女性に優しい制度設計(育児休暇や時短勤務等)は、細く長く働きたい女性には有効だが、昇進意欲のある女性にとってはあまり価値がない。
4.具体的な施策
現状分析し問題がわかったら、それに対して施策を打ちましょう。
内容は細かくなるので割愛。
◯感想
関係する本をいくつか読んだから重なるところもあったけれど、この本も情報が整理されていていい感じ。
この本では経営・人事に対して女性活躍推進のやり方を書いていたけれど、個人としては会社がこういう動きをするのを待っているのではなく、「機会を得にいく」「制度を知って使えるようになる」「意識を育てるために動く」のが当然必要だなあと感じました。もちろん人事側にいる間は、会社を変えるために動く。
また、管理職を目指す女性へのメッセージがよかったです。両立支援制度を活用しすぎることの落とし穴に気をつけて、というもの。家庭優先の人という「レッテル」を貼られることになるから。
それからやっぱり思うのはこれ。
『もし世の中がジェンダーバイアスのない場所だったなら、それだけの時間を私は自分が好きなことの追求や、もっと多くの作品を生み出すことに注げたのに』。
女性であるだけで、ジェンダー問題に時間を取られるという実際的な不利益がある。
『考えなくても問題なく生きられるのは、あなたが差別する側だからです。』
大学生の頃、理系女性の働き方・生き方ってどんなものがあるのだろうかと調べては迷走していました。大学のツテを使って出会えた先輩達は、仕事と育児と家事すべてをこなすパワーウーマンや、大学に泊まり込みして水道水で髪を洗って研究に没頭していた、なんていう超個性的な教授となんだかロールモデルにはならない方が多かったのです(当時10〜20歳上の方たちだったので、彼女たちの時代にはそのくらいの強さがないと生き残れなかったのかもしれない)。
私にはそんな強さはないけれど、それでも生き残るためにはどうしたらいいのかと考えた結果、大学生の私が出した答えは「したたかに生きる」でした。21歳の決断として絶望的。自分が働くことになる場所(≠会社)が男性社会であることを認めて、そのなかでうまく立ち回ろうというのは、女であることを理由にした諦めと同じです。ただ、完全には諦めていなくて、どうにかして変えられないかという思いは持ったまま入社しました。そこで今、少しだけ声をあげられる、聞いてもらえる機会を得ました。
鼻息荒く声を上げ続けるのは、非難されるし無視されるし、間違っている場合には恥をかくしとつらいけれど、せっかくチャンスを得たのでそれを最大限活かしていきたい。
21歳の頃の私のためにも、あと2ヶ月がんばろう。悶々と悩んでいた頃から、たった5年で発言する機会を得られたことに感謝しよう。でも5年前と変わらず、「発言に説得力をつけるためには、本業で成果を出さなければいけない。」この考え方を忘れずに本業もがんばる。
今5年前を振り返って、間違いもあったけど一生懸命だったなあと思うように、5年後の自分が今を思い出してくれたら嬉しい。
◯やること
・しごと
上司に意見をまとめて提出してみたのですが、議論するだけで行動に繋がるようには思えません。時間はないけどどうやったら少しでも状況を変えられるのか、議論しつつ考えていく。
・自分のキャリア
私はどこで勝負していきたいのかを明確にしたいけど、まだ全然想像ができないので、まずその判断材料となるよう情報を集める。ぼんやりとでも理想が見えてきたら、その実現をいつまでにするか決める。
・ブログ
文章だけだと整理がしにくいので、ブログにも表とか図とか入れようかな。手間がかかりすぎるのは嫌なので、兼ね合いを考えつつ・・・。
おしまい。
関連
本『トヨトミの野望』-熱量を行動に変える
4年前に出版されたものをいまさらですが読みました。めちゃくちゃ面白かった!
○内容
トヨタ自動車をモデルにした小説。
どこまでが事実で、どこからフィクションなのか分かりませんが、そこも想像しながら読むと面白い。
※モデルとされた人一覧はこちら
前半はサラリーマン社長、武田剛平(モデルは奥田碩氏)、後半は創業一家の豊臣統一(モデルは豊田章男氏)が社長として、どんな活躍をしたのか、その背景には何があったのかが描かれます。
武田の社長就任は1995年。28年ぶりに創業家以外から就任し、その後4年で大改革を起こします。ハイブリットカー「プリウス」をトップダウンによる判断で発売したり(世界で一番先に出すことに意味があった)、F1へ参戦したり、ダイハツの子会社化や、役員19名のうち17名を総入れ替え等。
宗教のような会社と資本主義の流れ、民間企業と国の繁栄、財閥との政治結婚、叩き上げと二世、子会社化、海外展開では政府を押さえる、中国のプライド、国益に敏感で狡猾な米国。海外育ちのエリートや創業一家ということで実力を軽視される息子等、ドラマチックな舞台に、生々しい人の感情が描かれていて、まさに「事実は小説より奇なり」。
出てくる人物たちがみんな強い。個性もだし、しごとや会社に対する熱意、執着が強い。
経理から海外に飛ばされるが返り咲く元社長(武田剛平)、強力な支配力を持ち統一の父である元会長(豊臣新太郎)、創業一家の血を引くことが強みとなり足枷となる現社長(豊臣統一)、色男で問題を起こしがちだが腕前は抜群のロビイスト(堤雅也)。。。
そして社内の様子には日本企業らしさがたくさん見える。天下りの社員がいることや、自工と自販の合併後本流の自工は傍流の自販出身を蔑んだり、“器じゃない”役員がいたり。現場の人間は、昔の社員はもっと現場に来ていたのに今は・・・と言う。これは今の私の勤め先の先輩たちの言うことと似ている。「エンコを詰めた作業員は、これでまた一つ安全装置ができると喜んだ」とか。
随所に女(あえて女性とは書かない)が出てくるのもいい。美人局にやられるマヌケや、若い女好きのやり手。苦労をかけつづけの妻、上流階級の創業一家の嫁。
私たちはエンジニアだ、ものづくりの会社なんだ、金儲けのために株を動かしたりしない。社員の雇用は守る!と言いながら、期間工は蚊帳の外というジレンマには、規模の差はあれ日本の企業、同じような問題を抱えていることがわかりますね。
辛かったセリフ。
「このまま管理職として朽ち果てていく己の姿が見えるようだ。」
45歳の記者の思いが綴られていました。武田はその頃まだ左遷されマニラにいて、そこから這い上がる強さを持っていたことを思いだし愕然とします。
○感想
ひたすらかっこいい。修羅場を超え、辛酸を舐め、自力で登りつめたサラリーマン社長。
なにをやっても実力ではないと言われる創業家の息子の歯痒さもいい。
小説のなかで出てくる感情は、屈辱、自己嫌悪、怒り、惨め、悔しい、冷徹、憎悪、、、こういう感情を、熱量を行動に変えられる人がいるから、トヨタは企業として発展したのかなあなんて思いました。
あとはやっぱり、自分の中には、社会より家庭、会社より自分を優先する考えしかないんじゃないかと改めて思わされました。つらい。
自己犠牲の精神がない、というよりも、自分が組織に貢献する意識が低いんだろうなあ。エゴしかない、恥ずかしいことです。
まぁ平々凡々な若手としては、巨大企業のトップたちのドラマに憧れつつも、地道に自分のやることをやるしかないなという気分になりました。いややれることは最大限やるけど。
今のコロナショックで、勤め先はどう変わるんだろうか。
外的
・顧客の予算縮小、計画の延期
・資材調達の遅れ→原料、購入品のコストアップ
・多くの客先に対する売り上げ減(紙や通信関係等は増える?)
・一度停止した設備の再稼働で売り上げ増?
内的
・テレワークが進む→固定費減
・人材縮小(新卒中途の採用人数減、派遣・契約スタッフ減)
・海外事業会社の売り上げ減
・・・ぜんぜんわからん。
○やること
テキトーな予測をしてしまった。経済誌の予測でも読もう。
リーマンショックの時どうだったのか、社史を読んでみようかな。
あとはこの本の続編読みます。
おしまい。
本『コンサルティングの基本』−コーチングとの違い
就活中、説明している人事の方の印象が悪く、よくわからんかっこつけやな!って思ってた業界。(失礼)
仕事にちょびっと絡むので勉強。
○内容
1.業界の基礎
●コンサルティングファームに依頼するのは?
・事業会社の本業ではない部分を外注したいとき
・一時的に特定分野の専門家を確保したいとき
・しがらみや価値観、慣習に染まっていない、客観的な視点が欲しいとき
・多くの業界、企業に共通して発生する課題に対するノウハウの蓄積が欲しいとき
時代の流れによって市場に大きな変化が生じており、その変化に対応しなければならない業界、企業がコンサルティングを依頼する。
●コンサルティングファームの組織・職位は?
パートナー・マネージャー・コンサルタント・アナリストのプロジェクトごとのチームで仕事を進める。
アナリストが最も現場に近く、情報収集と分析・資料作成を行う。7〜8割の人は2〜4年でコンサルタントになれる。
コンサルタントはお題(what)に対してどんな仮説を立てるか、どういう情報を集めるか、誰にインタビューするか等(how)を考える。3〜4年でマネージャーになる人もいる。
お題(what)はマネージャーがセット。プロジェクト管理、予算管理、顧客との折衝が仕事。
パートナーは役員クラス。顧客開拓とプロジェクト受注という営業と、ファーム自体の経営に関わる。
2.各ファームの領域と具体的なプロジェクト
●ファームの分類?
コンサルティングと一言でいっても、扱う事業領域は様々で、それぞれの会社が得意とすることも異なる。
テーマは4つ。「全社戦略・事業戦略」「業務・ITコンサルティング」「組織人事コンサルティング」「フィナンシャルコンサルティング(もともと会計法人から分離)」
それに大企業/中小企業の2つの分類をかけて、8つの領域がある。
それに対して全体的に関わるのがシンクタンク、大企業に全体的に関わるのが戦略系、中小企業には国内独立系が強い。それ以外にも、ある特定の部分に特化したファームも。
具体例がいろいろあげられていましたが、大きな上記4つのテーマ以外にブランドマネジメント、マーケティングコンサルティング、病院支援・医療コンサルティング、サプライチェーンや顧客情報とその活用、プロジェクトの一元管理・・・等々。また、アウトソーシング案件では、企業のコア業務以外をアウトソーシングする先を選定したり、オペレーションの集約をしたりするそう。
●一例
・システムインテグレーション
ITコンサルタントとSEの違い?
ITコンサルタント:システムの設計・構築に入る前までの議論・決定事項・プロセスを踏まえた上で、「システムの具体像」を描く(要件定義)。
SE(ベンダーやSIerといった企業の人材):具体像や全体像を基に、実際にプログラムを書いて構築する。
(私の業務は、これからはコンサルタントに近い側、いままではSEに近い側かなと思った。)
・組織開発プロジェクト
リーダーシップ研修の流れが説明されていて、一例として以下のような流れを学んでもらうとありました。
①危機感
②ビジョン策定
③ビジョン伝達
④コーチング
⑤障害への対処
なるほど、「 チームメンバーをビジョンに導くためのコーチング」手法を学ぶらしい。
ほかにもたくさんのプロジェクトの例がありましたが、割愛。
○感想
外から言うだけ言って実行しないやつでしょ、虚業でしょ。はいストラテジーね!かっこいいね!なんて決めつけてた。申し訳なかった。
基本的に内部でもできることを、より早く、より専門的に、期間限定で実現したいときに利用するのがコンサルタントなのかなあと思いました。それから新しいことを導入するのに協力を仰いだり。
今勤め先で整備されているビジネスプロセスの標準資料があるのですが、それを初期整備するときなんかにコンサルティング会社が入ってたのかなと思いました。
PMOの章で、システム開発基準とかプロジェクト管理基準とか、そういったことを標準化するとこの本に書いてあったのですが、これは勤め先にすでにある。人材開発の制度設計とかもある。年度末決算の資料に似たグラフが出てきたり。。。勤め先がこういう手法を導入するときにも、コンサルタントが関わったりしたのかな。あんまり知らない。
企業が本業でないことを外注する先として、コンサルティングファームが存在することは理解できたのですが、なんというか、しごとがどんどん細分化されているのかなぁなんて感じました。自分の会社でできるようにならなくても、外注すればいいじゃん的な。
○やること
コンサルティング業界の表面だけは分かったので、より特定の範囲で深掘りできる本を探してみる。プラントとかエネルギーとかCSVとかをキーワードにする。ちょっとずれるけどホールディングス化ってなに?というのも調べたい。
あとはこれから読む本は作者の立ち位置を知ってからにしようと思いました。この本の作者は、コンサルティング・金融に強い人材会社の代表取締役。その時代その立場にいるから見えるもの、考えることなんだなあって思いながら本を読みたい(この考え方が構造主義ですね)。○筆者 の項目でも足そうかな。
(構造主義?)
○コーチングを受けてみたメモ
この本とは関係ないですが、今日コーチングを受けてみたのでそれについて残します。企業向けコーチングをしている会社が、個人向けに展開していくための試験として行っているそう。
コンサルティングは外部からやり方を伝えていくイメージで、コーチングは内部からやり方を生み出させるイメージと認識。
・・・受ける前のメモ・・・
企業に事前連絡したものをそのままコピペ。
・コーチングを受けたい理由
現在2021年卒業予定の新卒学生採用に関わっており、一次面接およびその後の面接フォローを行っています。学生と話すなかで、曖昧でもビジョンを持っている学生と、そうでない学生がいることを感じ、フォローしていくなかで、彼らになにか力を添えることができないだろうかと考えるようになりました。
そこで今回ビジョンコーチングを受け、そこで知った考え方を学生に伝えていきたいと思っています。
また、私自身今の企業に入って実現したかったこと(※)に、微力ながら近づいている実感があります。しかし次の目標が明確になっておらず行き詰まりを感じており、このコーチングの機会を活かして、新たな視点を得たいと思っています。
※実現したかったこと:
・設計
・女性の採用の変革
<ディスカッションするテーマ>について
・ビジョンとは何か?
行動を起こす核になるものであると考えます。
理想がなければ現状足りないものを明らかにすることはできず、その不足を解消するための行動を取ることもできません。理想があればそこに向かって行動することができます。
常に「実現したい理想はなにか」を意識するために、その理想を言語化する必要があり、それをビジョンと呼ぶのだと考えます。
・意思決定とは何か?
ビジョンに到達するために、行動を取捨選択することと考えます。取捨選択する際の判断軸となる理念や思想を明確にする必要があります。
以下は個人的な考えですが、ディスカッションする上で参考になるかと思い、記載させていただきます。
私にとっての仕事とは?
・衣食住を得るためのもの
・社会と繋がるためのもの(仕事を通して社会を見る)
・自分の力を発揮する機会
・自分の力を伸ばす機会
会社に所属する意味とは?
・独力や小さな会社に比べて規模の大きなしごとができる。 「人・モノ・金」を集めたり管理したりする必要がない。
・予想外に出会える。
・「仕事とは」の項目が保証されている。
ビジョンは?
・女性の地位向上(社内外問わず)
・自らが得たものを社会に還元していく
その実現のための方法は?
・社内女性初の部長職になる
(※どの部署で、何のためにが明確になっていない)
・今の部署で実績を上げ、社内昇格試験受験資格を得る
・副業やボランティアをする
(※東京にいながら地元に貢献できないか検討中)
・・・受けたあとのメモ・・・
*コーチングとは
導いていくこと。質問することで本人の考えを深めたり、新たな視点を与えたりする。
*過去の掘り下げ
印象に残っている出来事を複数あげて、その中に共通するものを探す。
私の場合は承認欲求、成長意欲、自己認知の不足。
自己認知するための方法として、自分がどんなことを変えたか、取り組んできたかを考えると良い。
*思考法
自分の思考のクセを把握することが大切。そのクセが意思決定に反映される。
把握していれば、その思考のクセに合った行動を取ることができる。
トレーニングで補うこともできる。
・論理的/感情的
私はもともと感情的+理系で論理的が追加されたか
(理系の人はこのパターンよくある)
・事実か解釈か
混同せず事実だけを捉えるようにする。これはトレーニングできる。
人と自分を比べる際にも、事実ベースで比較すると感情的にならない。(人と比べて凹んだりしない。)
「気温が10℃」は事実、「寒い」は解釈。
・過去からの積み上げ思考/未来思考
「知らないからできない」これは積み上げ思考。
これはぱっと絵を見て、点で見るか全体を見るかによっても判別できる。(「女の子がいて、ガードレールがあって、街がある。」と言うか、「街があって、なんか晴れてましたね。」と言うか。)
私は積み上げタイプなので、経験したり人をマネしたりすると成長しやすい。ただし「こうなりたい」と憧れる(=解釈が入る)のではなく、この部分をマネするという事実ベースで考えること。
*所感
コーチングは鏡みたいだと思った。対象者の輪郭を明確にしたり、それを本人に伝えて認識させたり(これは自己認識?)。
自分の特性を分析して、そのタイプに合うやり方を教えてもらえるのは、一人で考えていく時の参考になる。
学生の面談にも、こういう考え方があると伝えてあげたり、相手の特徴によってアプローチを変えたりと活かせそう。タイプ分けできるよう心理学的なことを学びたい。
・・・メモ終わり・・・
外の視点を入れるのもたまにはいいですね。読書だと筆者→読者(自分)の一方通行になってしまいますが、会話だと双方向のコミュニケーションを取れるので、ものの見え方が変わる気がします。
なんかふと、このブログは5年後には黒歴史になる気になってきた。
おしまい。
漫画『ソラニン』『鼻下長紳士回顧録』『渋谷区円山町』-在宅期間の過ごし方
ブックオフで破格だったのでまとめ買い。
○内容
大学を卒業し、不満を抱えながら働く芽衣子と、アルバイトをしながらバンドを諦められずにいる種田。
二人の恋と友人たちとの日々を描きます。
○感想
大学4年生の頃に読んでエモい!わかる!切ない!となっていた感覚を、もう思い出せなくなってしまいました。
大人はつまらない、社会に迎合している、夢を諦めている、そんなふうに描かれていて悲しい。そもそも大学生だって、すでに大人なのにね。
自分を過大評価せず、かと言って凡人であることを言い訳にせず、等身大でやれること、やりたいことに取り組んでいけばいいと思うようになりました。
あとバンドやってる彼氏がいる女の子は、自分に夢がないからって彼氏に夢を追いなよってハッパかけがちじゃないですか?マンガだけなのか、現実もそうなのかは私にはわかりませんが…。
同じシチュエーションが『南瓜とマヨネーズ』(魚喃キリコ)でありました。彼氏のセリフがきつい。
自分がなんにもないからって
人にびんじょうすんなよ
また数年したら読み直そう、その時感じることは違うかもしれない。
浅野いにおの『うみべの女の子』もこの連休中に読む予定。
○内容
20世紀初頭、パリの娼館を舞台に「欲望」を描きます。
本当の変態とは名付けることのできない欲望を抱えた人間のことを言うんだ
弱い欲望はより強い欲望を形作る部品として使用される
自ら進んで檻の中にいるのは
何一つうまくいかないのをすべて環境のせいにできるから
おそらく私たちはそれを知りたくて行為に耽るのだ・・・
本当は何を求めているのかを知りたくて
素敵すぎる…。
○感想
さすが安野モヨコ先生〜!ってなる!当然絵が綺麗、女も男も美しい、背景もストーリーも美しい!安野モヨコさんの作品は翻訳され、海外でも評価されています。
「安野モヨコの作品は、今回ホノルル美術館に展示されることによって、漫画とはまた一つ違う、現代アートという文脈を得るきっかけを掴むことができた。」
とにかく本当に絵が綺麗。娼婦の体と衣装、娼館の装飾、背景やページの縁取り…漫画の見開きひとつひとつが作品だなあと思います。もちろん色男や老人の顔や体もうまい。明るくポップなんだけど、いやらしさもある。
きれいに描かれた女の体って本当にきれい。いろんな作家が、当然漫画家以外も、女の裸を描きたがるのがわかる。(ただしフェミニズムを考える上でのジレンマでもあります。)
ストーリーも面白くて大好き。
欲望には他の人と似通ったものもあれば、もっと深く孤独で強烈なものもありますが、そもそも自分の欲望が何かわからないこともあります。皆それぞれ自分と向き合い、自分は何を欲しているのか見つけていきたいんだと語ります。
娼館にくるお客さんのほとんどが、紳士的なのも良い。
あとは文学が混ざっていておしゃれでした。知らないのもあったけど、それはこれから読んでこう。
ゾラも出てきた。買ったものの放置してました(忘れていた)のでこの連休で読もう。
『渋谷区丸山町/おかざき真里』
○内容
若い女の子たちの、不器用な恋の話や友情が描かれています。短編が3つ。
○感想
おかざき真里さんも絵が綺麗。恥ずかしさや切なさ、匂いみたいなものが細い線で描かれている感じ。若い女の子の首筋とかまつげとか華奢な体がきれい。お話はどれも優しいです。
おかざきさんのマンガに出てくる男の人は何パターンかあるけど(大きい体でメガネで不器用な人、能天気に見える細身で純粋な人)、みんな魅力的。
『サプリ』『&』は読みましたが、まだ『阿吽』は読めず。次の連休で買おうかなー。
○まとめ
連休ですが、根詰めてビジネス書を読みまくるなんてできないので、ちまちま食べつつ、Amazon prime見つつ、お散歩しつつ過ごします。
もともと新型肺炎の対応のため、私の勤め先は3月から在宅勤務に切り替わっています。そのためこの2ヶ月はほとんど家で過ごしています。 そのなかで考えたことを記録します。
○変えたこと・変わったこと
・自炊頻度が増えた
あるべき人間の姿に戻れたような気分です。仕事を終えて、家に帰ってからごはんを作る体力なんてなくて、会社近くの牛丼・うどん・そばで晩ご飯ルーティンを回していた頃が信じられない。
昼ごはんまで作るのは怠いけど、気分転換にもなっているかも。
・本を読む時間が増えた
体感としては増えたんだけど、ブログの更新頻度は変わらず。たぶん実質変わってないんだろうな・・・。
・雑談できなくて寂しい
まさにこの記事で書いたような「オンラインがベースにあり、オフラインを内包する。リアルチャネルは、貴重な機会となる・・・。」というのが現実になりました。自宅でテレビ会議をしているときにこのことに気付き、かなり興奮した。
・パソコンの上げ下げや化粧・コンタクトすることでオンオフを分けた
パソコン置いたまま食事していると、切り替えができなくなる気がして気を付けていました。あとは椅子の位置を仕事の時と食事の時で変えたり。
・肌荒れが減った
・むくむようになった
この辺は生活習慣の変化。24時就寝(を目指す)〜6時半起床だったのが、25時就寝〜7時半起床になってる。睡眠時間はあまり変わってないけれど、体力使わないからか疲れ方が違う。めちゃ元気。ただ、あまりにも動かなさすぎているからか、むくんできた。
・・・なんかレベル感のあわない列挙をしてしまった。
○これから変えること
結局漫然とこの2ヶ月を過ごしてしまった気がします。もし夏まで在宅だったら、と考えてやることを設定してみます。
・平日2.5時間の活用
今まで片道1時間弱かけて通勤していましたが、それがない今、時間だけでなく体力にも余裕がある。(精神的には弱っているけれど。)
平日できた時間は、次の行動にあてよう。
1.簿記勉強(6月の試験は延期になってしまったので一旦無し。)
2.読書。ブログを書きつつ。
通勤電車の中では見るだけだったのが、自室でなら落ち着いてメモを取ることができます。
・休日の活用
1.地元北九州について調べる。
コロナショックで困窮した企業を、ほんの少しでも応援できないかなと考えています。例えば今すぐにできる応援といえば通販が思いつく。
やまほど買うことは個人にはできないので、声かけのために「北九州応援!通販まとめ」のサイトでも作ればいいんだろうか、と考えてみる。しっくりこない。。。
ただ、北九州市のホームページを調べても、そういったページへのリンクは見当たりません。飲食店応援のチケットというのだけ見つけられた。これだと店舗に足を運べない私にはなにもできないんですよね。
一部の有名企業は、自社で通販を開始する体力があるけれど、お金も人材も足りない事業者はどうしたらいいのでしょう。ふるさと納税を見るけど、やっぱり有名なところばかりだし。
(ふるさと納税の寄付の使い道に「新型コロナウイルス感染症対策」が追加されています。これはめっちゃ良い。)
自分が今すぐできることとして、
・ふるさと納税をする/地元企業の商品を買う
→ 直接北九州の企業の売り上げに貢献できる。
・市/県のHPに投書(公式Instagramにメッセージも)
→ 北九州の企業・市民(元市民)へアプローチできるかも。
・北九州にある活道団体を調べる(公共団体、法人、組合、、なんでも)
→ それぞれの活道の中に、今の私にも協力できることがあるかもしれない。知らないと動けないので、まず調べる。
このくらい?
頭で考えるばっかり、口ばっかりになるのが最近の課題です。行動するトレーニングになるかなあ。
最近べつに地元のために考えることじゃなくてもいいから、なんでもいいから、「なにかのため」に自分にできることはないかと考えるようになりました。時間がある中むしゃらな自己研鑽をするのも素晴らしいけれど(山ほどインプットすると、そこから砂金が見つかるらしい。余談。)、力をつけることは目的ではないし、「なにかのため」という目的を設定できれば、それはモチベーションにもなると思ったり。
こういうのも面白いよねえ。
2.べランダキャンプをはじめる
これは完全に心の健康のためにやる。固形燃料やキャンプ用の椅子は買いました。
暑くなりきらないうちに楽しみます。
おしまい。
本『鉄鋼業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』
大人になってから、自分のルーツを語れる人はかっこいいと思うようになりました(思い出話だけしかできないとしたら残念ですが)。自分の根幹を支えるものが何か把握しているような、プライドを持っているような印象を受けます。
学生時代学んでこなかったし、市販の本で学び直すなんて恥ずかしい気もするけど、その気持ちは一旦捨てて素人としてこの本を読みました。
○内容
1.鉄鋼業界の最新トピックス
2019年、新日鉄住金が日本製鉄に社名変更し、新体制をスタート。2018年の相次ぐトラブルは解消され、日鉄、JFE、神戸は国内生産設備の増強に乗り出す。センサーやAIの活用、稼働状況の可視化。
粗鋼生産量は2018年地点で中国、インド、日本の順になっている。メーカー順はアルセロール・ミタル、宝武鉄鋼集団、日本製鉄。
2015年頃中国の過剰生産を発端に「鉄冷え」、その後欧州で鉄鋼需要減。
中国の鉄鋼2社が経営統合したり、東南アジア(特に高成長しているのはベトナム)の鉄鋼需要が拡大したり。
2.鉄と鉄鋼業界
・一貫製鉄所/電炉工場/単純圧延工場
・石炭→コークス化、石灰石+鉄鉱石→焼結化、⇒高炉で還元。銑鉄ができる。
・鉄スクラップ+銑鉄→転炉に酸素を吹き込む→炭素、ケイ素、マンガンと反応し溶融。リンや硫黄は生石灰と化合しスラグ。鋼ができる。
・鉄スクラップを原料にアーク式電炉/高周波誘導式電炉で製鋼。
・普通鋼/特殊鋼
→特に特殊鋼は、オーステナイト系/マルテンサイト系/フェライト系
→ニッケル8-11%、クロム18-20%のステンレスが代表的
・圧延鋼材/鋳鋼品/鍛鋼品
3.歴史
コークス高炉法は1735年確立。
19世期前半にイギリス鉄鋼業が発展。産業革命下で鉄道敷設などの需要増。19世紀後半はアメリカ西部開拓による鉄道の需要増。
日本では1857年岩手県釜石にて初出銑。明治維新の殖産興業政策により鉄鋼需要増。1901年官営八幡製鉄の高炉が稼働、1934年日本製鉄設立。
戦後復興と合理化が進み、1965年世界3位に。1970年代オイルショックを受けて製造プロセスが見直され、工程が連続化・直結化する。
1970年
2002年(背景にはゴーン・ショック)
・JFEホールディングス(川崎製鉄とNKK)
4.業界の構造
5.主要企業の動向
省略。
6.課題と展望
低炭素社会実行計画や循環型社会づくり。(副産物含む。スラガ、ダスト、スラッジ。廃プラ、廃タイヤ。)
高炉独占分野に電炉鋼板参入。特に自動車等。
○感想
学生の頃聞いた、「鉄は国家なり」。
改めて国の発展とともに鉄鋼業界は伸びたし、国の発展のために貢献してきたことがわかりました。
仕事で使う部分に直接は関わらないけれど、概要は掴めました。今度は具体的なことを調べていこう。自分の会社が過去提案した資料とか、納めているものの規模感とか。
○やること
しごとに絡むことは資料いっぱいあるので見てみる。
企業や業界の動向は、ニュースを細かく追わないと掴めないので、こういうまとまった本を定期的に見なきゃですね。(ニュースは一面記事しか見てない。)
あとは自分のルーツを知る。
①福岡県
②日本
③出身大学
④専攻分野
⑤会社
教養が大切という言葉が身に染みてくる。所属だけで人は決まらないけれど、自分のいたところ・いるところのことくらい知ってないと、恥ずかしいと思うようになりました。立場が人を作るとか、成長できる環境に身を置くといいとか言いますが、じゃあその場をどれくらい理解しているでしょうか。
場所を知るということは、その歴史や地理、政治を知るということだよなあと改めて思います。生まれ故郷への愛はあまりないんだけど(まぁまぁ知られているので話題として使いやすいな程度)、そこにいる家族や友人のことを思うと、やっぱり考えちゃったり。
自治体HP見る、社史を読む、大学の歴史はどこかまとまってないかな…探します。
おしまい。
本『寝ながら学べる構造主義』-先人に学ぶ
先日見た映画に出ていた、内田樹さんの著書。映画の中ですごく興奮して喋ってる人で、なんかおもしろそうだなあと勢いで買ったけど、当たりでした。
(先日見た映画↓)
最近のマイブーム、「思想」についてすごくわかりやすい言葉で書いてあります。(意思を持つとか思想とか、サピエンス全史読んだ頃から自分の中で流行ってる。)
ただ、いまいち思想とイデオロギーの違いがわからずにいたりします。
○内容
〈構造主義〉
私たちは常にある時代・場所・社会集団に属し、その条件が私たちのものの見方・感じ方・考え方を基本的なところで決定する、という考え方を構造主義という。
私たちは自律的に判断し行動していると思い込んでいるが、実際はその属するところの受け入れているものだけを、無意識に選択している。だから時代や場所によって、人の考え方は異なる。1920年頃から始まった考え方。
以下①〜④は構造主義のみならず学術的方法の枠全体のベースを作った。
人間は行動を通じて何かを作り出し、その創作物を媒介にして自身の本質を見てとるという人間観。自身が自由に考えているつもりでも、実は階級的に思考している。
関係性の中で作り出された意味や価値によって、自身を知ることができる。(関係性をつくること=生産活動=労働と考える。)
②サルトル
実存主義。「実存は本質に先行する」
根が良い人でもが悪事を働いてばかりいたら、その人は悪い人でしょう、ということ。
③フロイト
人間は自身がどういうふうに思考しているか知らない。私たちは意識がすることが苦痛であるような心的活動からは、無意識に目を逸らし抑圧する。「なにを意識したくないか」を意識できない。
④ニーチェ
過去のある時代における感受性や感覚は、「いま」を基準にもっていては把持できない。資料的基礎づけと想像力と知性が必要。(系譜学的思想)
大衆嫌いを含めて、フーコーに受け継がれる。
「名前がつくことで、或る概念が私たちの思考の中に存在するようになる」
母国語を喋るだけで、その地域の概念をその価値体系のなかに取り込まれる。記号という術語を定義した。
1940〜1960年代にかけて、言語学以外の分野にも構造主義が展開したが、とりわけ影響の大きな4人が以下。「構造主義の四銃士」。
〈1.フーコー〉
自我中心主義、「いま・ここ・私」を中心とする人間主義というものがあるが、「いま」に至るまで歴史が予定調和的に、過去の出来事から現在までが一直線に進んできたとフーコーは考えない。沢山の可能性が、道の分岐があったが、それは無視され、私たちは今から振り返って後ろにある過去だけを見ているという。
…これ、サピエンス全史にも書いていましたね。歴史とは生き残ったものからしか語られない。だから敗者の歴史は消えていく。
フーコーは人間活動を分類し標準化しようとする「権力」を批判していた。例えば狂人はかつて崇拝されていたのに、いまでは「標準ではない」と排除される。軍隊の行進は身体的な標準化を通して、精神まで標準化しようとしている。
ただ、その標準と定義されるものは、ある時代・場所のもので、変わっていくものである。
〈2.バルト〉
ソシュールは、人間が何かの意図を持って作った言葉を記号(signe)と定義しました。記号とは人為的な意味を持たせたもので、象徴とは異なります。
バルトはソシュールの予言した記号学を展開。ある言語で話すと、その言語に依存した価値体系に取り込まれるというソシュールの考えがありますが、そこには二つの規則があります。
1.ラング(langue):ある共同体で使われる言語。
2.スティル(style):個人的に好きな言葉の速さや音感、グラフィックや比喩といった言語感覚。
バルトはこの二つに加えて、第三の規制を発見する。
3.エクリチュール(écriture):選ぶことのできる語法。それぞれの語法には予断や偏見が含まれ、型をもつ。例えば「おじさんのエクリチュール」なら現状肯定的でありながら愚痴っぽい。とか。
〈3.レヴィ=ストロース〉
〈4.ラカン〉
力尽きたので割愛。難しいよ…。
○感想
よくビジネス書なんかにのっている話がたくさん出てきて、そういえばあれは先人の言葉の焼き回しだったんだなあと気付きました。例えば鳥の目虫の目、ジョハリの窓、言葉にできることしか認識できない、、とか。
思春期の葛藤をしている時期に、こういう思想家達の本と出会いたかったな。思想について論理的に簡潔に書いてあるのでわかりやすいし、たくさんの思想家の言葉をまとめてあるので、一種類に偏らない見方ができるような気がするし。もしこの先そういう時期の子と話すようなことがあれば、この本をあげようと思いました。
大人になって、自分の考え方を持つようになってから読むのも、それはそれでいいですけど。ぼんやり考えてたことが、先人の言葉で整理されていく感覚がありました。ただラスト二人は難しかった。
ニーチェやフーコーの論を読んでいる時に、平野啓一郎さんの小説を思い出しました。過去を思い出すとき、今経験したことをもって振り返ることしかできないのは寂しい、というような言葉。
人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えられてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。
○やること
めっちゃ面白かったので、内田樹さんの本をもう一冊読みます。思想やイデオロギーがわかるものにする。
おしまい。