みたら書く

本や映画の感想を書きます

小説

私の名前を知って/男らしさの終焉/ビリーブ 未来への大逆転

ジェンダー問題関連の本、映画を見続けています。性差別がある社会で差別される側に生きている限り、私はこの問題から逃れられないので、それなら向き合って、少しでも次の世代のために動かなきゃと思っています。 ○私の名前を知って スタンフォード大学での…

小説『砂漠』-伊坂幸太郎の良さって?

いまいちハマりませんでした。 登場人物が大根役者のようというか、ずっとかっこつけているふうに見え、グッとくるキャラがいませんでした。 ○内容 5人の大学生の4年間、モラトリアムを満喫するドラマチックな日々を描きます。 ○感想 ストーリーの中に起こる…

小説『痴人の愛』-フェミニストとしてのジレンマ

衝撃でした。さすが傑作。 書いてあることが現実のことであれば、気持ち悪く拒否してしまいそうなのに、小説だからか、描き方が巧みだからか、この変態性に共感できてしまいました。 しかしそんな自分に嫌悪感もある。 けれどどうしようもなくたまらないと思…

『黒革の手帖』-松本清張、読みやすく面白い!

面白かった〜! 名作なので重たいかと思ったら、全然そんなことなくて、サクサクっと読めました。 少し前に武井咲さん主演でドラマやってましたね。そのイメージをしながら読みました。 ○内容 銀行で事務員をしていた原口元子。 若く美しい後輩たちは、入社…

『よかれと思ってやったのに』『キム・ジヨン』『橋本聖子さんと話そう』

東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗・元内閣総理大臣の発言を受け、世間が、男性が、男女不平等に少しだけ気づき始めたことを嬉しく思います。 自分が結婚するまでに、選択的夫婦別姓が実現しなかったことは悲しいけれど、その悲しみをエネルギ…

本『読書する人だけがたどり着ける場所』

さくっと読めました。 本を深く読むことが重要ということを前提に、どのように読めば良いかをとにかく説明した本です。 ・なぜ本を読むことが重要か リベラルアーツが重要であることは、最近特に知られるようになってきましたが、本を読むことも教養をつける…

『トヨトミの逆襲』-社内人事も企業活動も、政治が大事?

めちゃくちゃ今更ながら読みました。今回もとても良かった。 前作よりも陰湿な感じでしたが、最近の話なので想像しながら読めたのが楽しかった。 前作がこちら↓。前作の方が熱くて好みではありました。 begin2019.hatenablog.com ○著者 梶山三郎 経済記者、…

久々に純愛ものを!-映画『冷静と情熱のあいだ』

かなり前に原作を読んでいましたが、内容忘れてました。 大学生の頃、江國香織さんの本が好きだったんですよね。また読み返してみたいけど、引越しで捨てちゃったかなー。 ○内容 イタリア・フィレンチェ。絵画の修復を学ぶ順正(竹野内豊)は学生時代付き合っ…

商社の活躍、日本の高度経済成長−『不毛地帯(五)』

読み切りました! めちゃ面白かった! そして長かった、600ページ×5冊! 終戦〜1970年代までの長期に渡るストーリーで、登場人物も多く、さらに描写も密度高く書いてあって、読み応えがすごい。 世界を股にかけた主人公を中心とした小説でしたが、数十年の世…

伊藤忠の石油開発参入−『不毛地帯(四)』

今回は石油も出てきました。どんどん規模が大きくなってきて楽しい。 1960年代、イランでの利権を巡る戦い。 現地での第一位は五菱商事(モデルは三菱商事)、第二位は近畿商事(伊藤忠商事)だったが、第一位と言えども五菱商事の立場も厳しかった。 ○著者 …

いすゞ自動車へ外資参入?-『不毛地帯(三)』

衝撃の多い三巻でした。 特に壹岐さんの妻の死、そして元上官の娘・秋津千里との恋。 【この巻で出てくる会社】 ・伊藤忠商事 ・双日 ・いすゞ自動車 ・フォード ・トヨタ自動車 ・日産自動車 ・第一銀行(2000年に他行と合併してみずほになる) 企業ではあり…

商社の情報戦、政治とカネ-『不毛地帯(二)』

一巻に続いて勢いで読みました。 と言っても、今回も内容が濃くて、なかなか時間がかかりました。今回は商社編! 主に登場した企業はこちら。 この本はフィクションとされていますが、実在の会社の、実際のできごとをベースにして描かれています。 【出てく…

ソ連の非道さと帝国陸軍のプライド−本『不毛地帯(一)』

勤め先の人たちとオンライン飲み会中、おすすめの本はなに?という話になり、山崎豊子の本いつか読もうと思ってるんですよね・・・と誰かが言いました。(酔っていて覚えていない) また、小説『不毛地帯』の登場人物に、私の勤め先の人をモデルとした人がお…

本『鉄の骨』−正しさとは何か?談合は必要か?

ZOOM朝活でお勧めされた本、その1。 (在宅勤務が続いているけれど、朝ダラダラしちゃってたところ、知人に誘われ先週からZOOM朝活に参加しています。オンラインだと気楽で良いですね。) 私の勤め先も、過去談合で刑事告発されており興味がありました。 そ…

本『トヨトミの野望』-熱量を行動に変える

4年前に出版されたものをいまさらですが読みました。めちゃくちゃ面白かった! ○内容 トヨタ自動車をモデルにした小説。 どこまでが事実で、どこからフィクションなのか分かりませんが、そこも想像しながら読むと面白い。 ※モデルとされた人一覧はこちら 前…

本『マチネの終わりに』-知性ある人の狂うような恋

年末年始休暇のセルフ課題図書4冊目です。別に課題にしなくてもよかったな。期限を設けず、ゆっくり読みました。 これでとりあえず年末年始の課題図書はおしまい。 ◎年末年始の課題図書◎ ①12/30 『僕は君たちに武器を配りたい(エッセンシャル版)』 ②12/31-1/…