本『鉄鋼業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本』
大人になってから、自分のルーツを語れる人はかっこいいと思うようになりました(思い出話だけしかできないとしたら残念ですが)。自分の根幹を支えるものが何か把握しているような、プライドを持っているような印象を受けます。
学生時代学んでこなかったし、市販の本で学び直すなんて恥ずかしい気もするけど、その気持ちは一旦捨てて素人としてこの本を読みました。
○内容
1.鉄鋼業界の最新トピックス
2019年、新日鉄住金が日本製鉄に社名変更し、新体制をスタート。2018年の相次ぐトラブルは解消され、日鉄、JFE、神戸は国内生産設備の増強に乗り出す。センサーやAIの活用、稼働状況の可視化。
粗鋼生産量は2018年地点で中国、インド、日本の順になっている。メーカー順はアルセロール・ミタル、宝武鉄鋼集団、日本製鉄。
2015年頃中国の過剰生産を発端に「鉄冷え」、その後欧州で鉄鋼需要減。
中国の鉄鋼2社が経営統合したり、東南アジア(特に高成長しているのはベトナム)の鉄鋼需要が拡大したり。
2.鉄と鉄鋼業界
・一貫製鉄所/電炉工場/単純圧延工場
・石炭→コークス化、石灰石+鉄鉱石→焼結化、⇒高炉で還元。銑鉄ができる。
・鉄スクラップ+銑鉄→転炉に酸素を吹き込む→炭素、ケイ素、マンガンと反応し溶融。リンや硫黄は生石灰と化合しスラグ。鋼ができる。
・鉄スクラップを原料にアーク式電炉/高周波誘導式電炉で製鋼。
・普通鋼/特殊鋼
→特に特殊鋼は、オーステナイト系/マルテンサイト系/フェライト系
→ニッケル8-11%、クロム18-20%のステンレスが代表的
・圧延鋼材/鋳鋼品/鍛鋼品
3.歴史
コークス高炉法は1735年確立。
19世期前半にイギリス鉄鋼業が発展。産業革命下で鉄道敷設などの需要増。19世紀後半はアメリカ西部開拓による鉄道の需要増。
日本では1857年岩手県釜石にて初出銑。明治維新の殖産興業政策により鉄鋼需要増。1901年官営八幡製鉄の高炉が稼働、1934年日本製鉄設立。
戦後復興と合理化が進み、1965年世界3位に。1970年代オイルショックを受けて製造プロセスが見直され、工程が連続化・直結化する。
1970年
2002年(背景にはゴーン・ショック)
・JFEホールディングス(川崎製鉄とNKK)
4.業界の構造
5.主要企業の動向
省略。
6.課題と展望
低炭素社会実行計画や循環型社会づくり。(副産物含む。スラガ、ダスト、スラッジ。廃プラ、廃タイヤ。)
高炉独占分野に電炉鋼板参入。特に自動車等。
○感想
学生の頃聞いた、「鉄は国家なり」。
改めて国の発展とともに鉄鋼業界は伸びたし、国の発展のために貢献してきたことがわかりました。
仕事で使う部分に直接は関わらないけれど、概要は掴めました。今度は具体的なことを調べていこう。自分の会社が過去提案した資料とか、納めているものの規模感とか。
○やること
しごとに絡むことは資料いっぱいあるので見てみる。
企業や業界の動向は、ニュースを細かく追わないと掴めないので、こういうまとまった本を定期的に見なきゃですね。(ニュースは一面記事しか見てない。)
あとは自分のルーツを知る。
①福岡県
②日本
③出身大学
④専攻分野
⑤会社
教養が大切という言葉が身に染みてくる。所属だけで人は決まらないけれど、自分のいたところ・いるところのことくらい知ってないと、恥ずかしいと思うようになりました。立場が人を作るとか、成長できる環境に身を置くといいとか言いますが、じゃあその場をどれくらい理解しているでしょうか。
場所を知るということは、その歴史や地理、政治を知るということだよなあと改めて思います。生まれ故郷への愛はあまりないんだけど(まぁまぁ知られているので話題として使いやすいな程度)、そこにいる家族や友人のことを思うと、やっぱり考えちゃったり。
自治体HP見る、社史を読む、大学の歴史はどこかまとまってないかな…探します。
おしまい。