みたら書く

本や映画の感想を書きます

本『採用の思考法』-ミスマッチは負債を抱えること

 

 

 

4月からの準備その2。

 

その1はこちら。

 

 

 

 

 

 

その3はこちら。

 

 

 

 

○内容

 

1.前提として

育成には限界があります。素材の目利きはそのまま経営力となり採用に失敗することは、会社の負債を増やすことといえます。

新卒・中途に関わらず、採用は限られたパイの奪い合い。「採用しないとわからない」なんて言ってはいけません。

 

2.五つの課題

①片手間でなく採用それそのものをやる必要がある。

弊社は採用のための部署があります。その点はクリア。ただ、学生に最初に接触するリクルーターは、事業部から借り出されて片手間で採用活動します。この本のルールでいうとアウト。

 

②自社が欲しい人材を、オリジナルな要素を考える必要がある。

選考時重視する要素は、過去20年ほとんど変わっていないそうです。(コミュニケーション力・主体性・チャレンジ精神・誠実性・協調性。経団連HPより。)

時代が変わっていくなかで、その要素を変えなくていいのか?

 

(余談)

採用=営業とマーケティングといえます。パイの奪い合い(≠最大化)であるので、営業よりも厳しい。マーケティング用語に、AIDMAというものがあり、消費者の心理プロセスの略語ですが、これはそのまま求職者の心理プロセスに重ねられます。

 

AIDMA…以下の順に移行する。

Attention(注意)

Interest(関心)

Desire(欲求)

Memory(記憶)

Action(行動)

 

 

③求職者が何を求めているのか知る必要がある。

知らないまま頓珍漢な採用活動をしても意味がない。お互い欲しいものを提示して、マッチングしましょう。

 

④マーケットを知る必要がある。

これは先日の記事に書きました。新卒の場合、どんなスケジュールで動いているか?とか。

 

 

⑤目標と期限から逆算する必要がある。

これ上司にめちゃめちゃ言われてるやつ。問題解決の基礎ですが実際できてない人ばかり。これは徹底しましょう。

 

 

 

3.採用活動のコツ

採用活動においては「どんな人材を何人採用する」という目標を明確にする必要があります。どんな人材を採用するか、とは採用基準をどう定めるかということです。

 

採用基準を下げること=お客様への提供価値を下げることor育てるコスト・時間をかけることといえます。基準を満たさない人を採用することは負債をかかえること。それなら採用人数を減らし負債ゼロの方が良いですね。求職者を資産とみるか負債とみるか、判断するために採用基準を設けます。

 

実践心理学NLP(神経言語プログラミング)の6つの意識階層というものがあります。

ピラミッド状で上位から、

1.自己認識「私は〜である」

2.信念・価値観「私は〜という考え方を大切にしている」

3.能力「私は〜できる」

4.行動「私はいつも〜している」

5.環境「私は〜に所属している」

この1,2は変えにくいのですが、3〜5は後から変えられるので、1,2と比べて重要ではありません。

例えば能力のなかでもコミュニケーション能力は重視されがちですが、本当は後から変えられるからさほど重要ではないのです。

 

だからこそ、この階層2の「信念・価値観」のズレを防ぐことが大切です。採用活動を通して、経営理念と求職者の価値観マッチングをしましょう。

 

(余談)夫婦の離婚の原因第一位は、性格の不一致だそう。これもこの意識階層の1,2のズレですね。

 

 

・基準には論拠を持ちましょう。複数の担当者で共有しましょう。

・採用担当に必要な能力は以下。これは営業に必要な能力と同じです。一人で全部は無理なので、チームで補完しましょう。

1.ライティング力

2.プレゼンテーション力

3.ヒアリング力

4.商談力

5.クロージング力

 

4.採用プロセス

①知ってもらう

自社そのもの、そこで得られる価値、採用基準を知ってもらうプロモーション活動をしましょう。

プロモーション活動howto

1.トレンドを知ること。

最近ならリアルと早期。

2.アプローチすること。

方法としては、

SNSを用いたソーシャルリクルーティングと、リファラル採用やマッチングプラットフォーム(Linkedin等)を用いたダイレクトリクルーティングがあります。

 

※マスアプローチしていることを、求職者に察されないように。「あなたを特別視している」と感じさせること。

 

②採用面接(初期)

初期の採用面接の目的は、採用基準に達する人材か見極めることと、求職者側を惹きつけることです。

リクルーター等が接触する時には本音を引き出すスタンスをとりましょう。例えば問い詰めるように一問一答はしない、面接シートを見ない

、共感する。本音を出させて安心させることは、求職者の惹きつけになります。

 

ただし初期に志望動機は聞くべきではありません。まだ決めてない相手に言わせても、それは採用側が安心したいがための自己満足に過ぎません。

 

また、内定辞退の少ない会社は審判員にならず併走者、応援者になっています。見極めるばかりでなく、求職者の目線を想像することで、ミスマッチも防げます。内定辞退が多いのは採用が下手ということです。

 

 

③内定者フォロー

何で迷っているのか?ボトルネックを確認し自己開示しましょう。ここでも共感・安心感がキーワード。非公式の場をセットしてクロージングしないようにしましょう。

 

 

④採用面接(後期)

最終面接の段階で、入社したい理由を聴きましょう。求職者本人に考えさせることで納得感が出ます。自分なりに考えて納得したと思うと、辞めないようになります。

 

※本筋とずれるけどメモ

本業に全力で、手続きは片手間で。

仕事で資料をキレイにするのは片手間でやるべき。息をするように日常の業務はこなす。

 

 

○感想

 

採用担当者のあるべき姿勢や考え方がわかりました。私自身が業務で関わるのはほんの一部ですが、全体を知ったことで、これからより楽しくなる気がします。

 

○やること

 

経団連HP見てみる。これは興味。

 

・選考時重視する項目が20年間がほとんど変わっていない、という話が書いてありました。これは日本企業の話だったので、海外ではどうなのかを調べてみます。

ただ、どこを取っ掛かりにしていいか難しい…。

 

おしまい

いい人財が集まる会社の採用の思考法

いい人財が集まる会社の採用の思考法

  • 作者:酒井利昌
  • 発売日: 2019/08/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

本『女性のいない民主主義』-ジェンダーを考えるという不利益

今月3/8は国際女性デーでしたね。

パラパラとネットで調べてみても、いまいち理解できていない『フェミニズム』。全くわからない、さらに興味も薄い『政治』。

今回はこの二つが整理された本を読みました。

 

ただ、どちらも苦手分野過ぎてうまく整理できませんでした。感情的になっちゃうし。

 

 

○内容

 

政治初心者に優しい内容でした。まずジェンダー関係無しに各章で政治の仕組みと歴史を説明し、その次に女性の立場はどう捉えられていたのかが続けられます。

 

1.政治とはなにか

 

政治とは公共の利益を追求するものであり、政治の基礎となるのは話し合いである。その話し合いの場には、共同体の構成員となる様々な立場の人が参加すべきであるのに、一部に偏っているのはなぜか。(一部はつまり男性のこと。)

 

1970年代以降、伝統的な左右対立に収まらない新たな争点が浮上した。原子力等不確実な科学技術、地球温暖化等の環境問題、フェミニズム運動による伝統的な性別役割分業への異議申し立て、移民は多文化主義を拡大したが反動から極右化する人々も生まれた。

これらの争点は、これまでなかった技術や環境の変化、内戦に伴う難民の発生等の「変化」を起点とするもの。しかしジェンダーに関してはかつての方が不平等であり問題だった。なぜ今になって浮上したといわれるのか?

答えは、新たに問題として起こったのではなく、女性が声を上げ始め、それが世の中に広がった結果、認識されるようになったから。それまで認識していなかった男性政治家にとっては、女性が突然声を上げ、男性が享受してきた特権を奪い始めたという「変化」は、男性の多い政治の世界において環境問題と同等の「問題」と言える。

 

以下抜粋。

「争点の範囲を限定する政治制度は、男性支配を維持する役割を果たす」

「(要約)マスメディアが有権者の意見を変化させることは少ないが、ある争点へ注目させたり、モノの見方を偏らせるという見解がある。それに対してSNSの台頭はジェンダーの争点化を強く促した。」

 

 

2.民主主義とはなにか

シュンペーターによる定義・・・

「民主主義とは政治指導者が競争的な選挙を通じて選ばれる政治体制を指す。これに対して、競争的な選挙が行なわれない国を、権威主義体制あるいは独裁体制と呼ぶ。」

これはつまり、選挙というエリートの競争を肯定している。

 

 

3.政策は誰のものか

男性首相が男女不平等を語る時、それ自身ではなく別の目的を解決する手段として、女性の利益向上を政策とする。

例えば今の自民党。「女性活躍」のスローガンには、選択の機会が増える喜びはあるものの、利用されているという違和感も感じてしまいます。

 

 

4.誰が、どのように政治家になるのか

マーガレット・サッチャー、ドイツのメルケル首相、台湾の蔡英文総統は野党から返り咲いている。これは野党は票を得るために女性を登用しているから。野党が女性比率を上げることで、与党もそれに対抗して女性登用をする。しかし日本では、野党が女性を増やさず、よって与党も対応していなかった。

メモ…1986年社会党土井たか子、マドンナブーム。

 

 

 

○感想

 

フェミニズムを理解する目的で買ってみたのですが、思いの外政治についての理解が深まりました。初心者だからかもしれない。

この本は対象を対比させることによって、理解を促してくれています。例えば、権威主義と民主主義。なんか聞いたことあるけどよくわかってないことが少しだけわかったような。

でもやっぱり難しい。。。

 

家庭レベル、社会レベルでの性別による役割分担についての章を読んでいる時に、あることを思い出しました。

それは、「『誰に食わせてもらってるんだ』と言われたのが嫌だった。」という母の愚痴を、小さい頃聞いていたこと。私はそんなこと言われたくないと思ったのが、自立したいと考えたきっかけだったかもしれません。これも構造の問題で、家庭内の分業が進む仕組みがあったから起こったことです。

時代によって価値観は当然変わるし、それに適応することはおかしくない。決められたルールの中でうまく振る舞うことが、短期的には、自身にとっては得になることは多いです。しかし大志を持ってそのルールに異議を唱え、理想を叶えた先人たちがいるから、今の自由があるわけで、その先人たちの努力を無駄にしないためにも、そのルールに疑問を抱くことを忘れないようにしたいです。

 

 

フェミニズムの歴史〉

 

18世紀以前:上流階級を除いて、男女関係なく農工商業に携わっていた。

 

18世紀半ば〜19世紀:産業革命。家庭内分業。(外で働く男性と専業主婦。)

 

19世紀半ば〜21世紀前半:第一派フェミニズム。女性の財産権や参政権を求める運動が各国で行われる。※日本では1945年に参政権が認められる。(遅くてびっくり。) 

 

1960年代:第二波フェミニズム。女性参政権導入後も解消されない男性支配への異議申し立て。ウーマン・リブ活動。人工妊娠中絶を制限する優生保護法改定の抗議。

 

1990年代:第三波フェミニズム

 

現在:第四波フェミニズム

 

流れをザッとを書きましたが、全然詳細は理解していません。今後もう何冊か本を読んでみます。

 

 

 

○おまけ

 

世の中の変化や、男女の役割に苦しむ人の記事等。

 

◎コーヒーに見る世の中の変化

 

◎子供を生む後悔

「母親ではなく父親になりたかった」という言葉が出てきます。

男性は自分で生まずとも、自分の遺伝子を残せるけれど、女性は自分の体で生まなければなりません。それにより自身の活動が抑制されることになります。(代理出産等さまざまな科学技術が発達していますが、まだあまり一般的ではないですね。)

 

夫婦別姓の問題。今年2月、サイボウズ青野社長が東京地裁で敗訴しています。

 

ジェンダーバイアスを助長させる

 

 

◎子育て

怖いんですよね、育った環境に影響される、ズレや違和感。

 

 

◎これ!まじで!本質!!と思ったら記事。

『もし世の中がジェンダーバイアスのない場所だったなら、それだけの時間を私は自分が好きなことの追求や、もっと多くの作品を生み出すことに注げたのに』。

女性であるだけで、ジェンダー問題に時間を取られるという実際的な不利益がある。

 

 

最近しっくりきた言葉。

「考えなくても問題なく生きられるのは、あなたが差別する側だからです。」

あなたジェンダー問題好きだよね!と言われたことがあるのですが、好きではないのよ。差別される側だから考えざるを得ないんです。

 

 

○やること

 

今回調べていくなかで、引っ掛かったのが「大正デモクラシー」の言葉。懐かしい響きですね、歴史の授業で習ったやつ…。興味を持ったので、調べてみようと思います。

あとはなぜ女性の利益となるものは議員立法が多いのか?そもそも議員立法とは?という疑問を持ったので、そこを調べたいと思います。

 

おしまい。

 

女性のいない民主主義 (岩波新書)

女性のいない民主主義 (岩波新書)

 

 

関連

本『サピエンス全史(下)』-マクロな歴史はおもしろい

突然下巻から感想を書きます。上巻は一年前くらいに読んだけど、記憶がおぼろげ…。

 

この本めちゃくちゃ面白いんですが、中身が濃すぎて集中しなきゃ読めません。読むのに体力がいる。

 

 

○内容

 

※本に書いてあったことと、私の解釈・感想が入り混じっています。

 

◎宗教

キリスト教イスラム教は、混合主義によるものである。一神教、二元論、多神教アニミズムと矛盾するものまで混ぜ合わさっている。

仏教は苦しみからどう逃れるか?一神教は神は私に何を欲するのか?

イデオロギーも宗教である。なぜならば「人の規範と価値観の体系」であり、なおかつ「人が定めた法ではない」から。

人間主義にも種類があり、①自由主義的。個人を重んじる。②社会主義的。平等を重んじる。これは一神教の神の前に皆平等という思想と全く同じではないか。③進化論的。例えばナチス

 

現代の宗教の代表は科学である。神に祈る代わりに学問が発達した。特に数学。テクノロジーと科学が紐づいたのはこの数百年。技術が力になるとは考えられておらず、戦術(組織や規律)が勝敗を決めた。知るべきことを全て知っていた神たちでさえ、成し遂げられなかった病や戦争をなくすこと、人類が技術によって叶えようとするのは不遜ですらある。

19世紀まで壊疽を恐れて麻酔なしで傷を負った手足を切り落としていたのに、今はそれを克服した。これから、死を克服するか?死の克服が目の前にある近代、ほとんどの宗教もイデオロギーも死と死後の世界を語らなくなっている。キリスト教徒と違って、資本主義者が死んだらどうなるのか?なんて語られない。

 

科学はそれ単独では栄えない。経済、政治、宗教と関係し、そこで影響することができるものだけが栄える。

1769年、クック船長はタヒチ島や、その他の島々、オーストラリアやニュージーランドを含む地域をイギリス領とした。太陽までの距離を測るという科学調査目的だったのか、軍事的な目的だったのか。

1750から1850年にかけて、ヨーロッパ はアジアの領土の多くを征服し、現代に至っても世界はヨーロッパ 風だ。なぜヨーロッパ なのか?テクノロジーの差である。日本が追いつけて中国やペルシアが追いつけなかったのはなぜか?考え方が違ったから。帝国主義と近代科学。

 

コロンブスは1492年にアメリカ大陸に旅して、1519年にはカリブ海のほとんどをスペイン人が征服した。先住民のほとんどはスペイン人の持ち込んだ病原菌で死んだり、奴隷として過酷な扱いを受けて死んだ。代わりにとイギリスがアフリカ系の奴隷を売るようになった。

 

(黒人奴隷の歴史↓)

メキシコはコルテスが、インカ帝国はピザらが征服した。ヨーロッパ人以外アメリカを征服しようとしなかった。日本人のら1942年アラスカ進行を除いて。

 

 

帝国主義と近代科学

イギリスがインドを征服したとき、文化も地理も動物までも科学者が調べた。インドの人たちは興味がなかったのか?征服者たちがその土地を知る事で、より統治しやすくなる利点派大きい。さらに新しい知識を獲得することはもれなく良いこととされるし、その知識を使って、征服した国のインフラ整備をすれば、「白人の責務」を果たしたとふんぞりかえることができる。それを科学者は裏付けようとしていたが、今は人種間に差はないと結論づけられた。文化主義の時代。

 

 

◎資本主義

富を投資するようになったのはこの500年の話。科学革命が起き、己の無知を認め研究を進めてていけば進歩するのだとわかり、将来への信頼ができたから、信用が生まれ投資できるようになった。(信用創造ってやつですね。)かつては神が万能で、知らないことはないという思想だったから、「己の無知を認め」ることができなかった。さらに富めるものはひたすらにそれを使い、近代の社地のように株や債権をかぎまわることはなかった。(贅沢な時代があるからこそ、今見ると信じられないような豪華絢爛な芸術品が生まれたのだろうし、うらやましい。)科学的な進歩が止まれば、経済成長も止まる。

 

コロンブスのような探検家へ投資するとき、それは不安定だった。だから株式会社ができた。一人頭の投資額は少なく、お宝が見つかれば分けられる。スペインに打ち勝ち、オランダ海上帝国を作り上げたのは国王ではなく商人達だった。1568年。1602年、オランダ東インド株式会社、証券取引所ができた。拡大した会社は、インドネシアを征服した。企業が国を植民地としていた。同時期にオランダ西インド株式会社は、今のニューヨークへ進出していた。(イギリスに1664年奪われた。)先住民とイギリスの侵食を防ぐために作られた防壁が、今はウォール街の下に埋まっている。なにそれステキ〜!

オランダの失脚ののち、フランスのミシシッピ株式会社も失敗、ミシシッピ・バブルがあった。フランスは国として信頼を失い、ついにはフランス革命へと発展した、ら(この辺スピード感凄くて面白い!!)イギリスは強かった、東インド会社はインドを抑えてた。企業が、(資産が?)国へ影響したのは例えばアヘン戦争。結果香港はイギリス領となり、麻薬取引基地となった。

資本主義の章で大興奮。

 

 

産業革命

資本主義に続き技術が発展、我々はエネルギーを作った。農業が発達し、遺伝子までも操作する。

資本主義と消費主義は時代を逆転させた。貴族は散財し市民は倹約していたのに、今では資本家は倹約し投資に追われ、市民は享楽的で借金を負う。

 

 

◎平和

産業革命のころ、親密なコミュニティは崩壊した。国家が代わりに力を持った。例えば家族やコミュニティが持っていた役割(お金を貸し借りすること・裁くこと・家を建てること・医療等)を代替し、強くなった。しばしば女性はコミュニティの持ち物と見なされてきたが、独立した個人となった。

1945年以後、他国を征服するために侵攻することはほとんどなくなり、すでに支配していた国の解放も(それまでの歴史と比べれば)迅速かつ平和的なものだった。例えばイギリス・フランス、そしてソ連崩壊。もちろんアラブ世界、アフリカでの紛争は無視できないが、国家間の征服を目的にした侵攻はほとんどなくなっている。

平和を叶えられたのはなぜか?戦争によって得られる富が減ったから。畑や家畜や奴隷より、技術ノウハウや銀行のような組織の方が大きな資源となったから。

 

 

進歩主義

 

幸福度という指標に意味はあるのか?

 

学ぶこと・成長することは喜びだとここ5年ほど色んな人から聞かされてきていたけれど、やっぱりそうだよね。画一的に進歩が正義とは言えないよねえ。まさに『独善的』。人それぞれ異なる立場があって、一人一人ストーリーを持っていることをやっと理解できるようになってきました。今が幸せか?というのは、誰にとっての幸せを考えるのか、定義づけが必要である。

科学は幸福を定義した。関連↓

生物学的には、土壁の寒い部屋で暮らす昔の農民と、空調の効いた清潔なマンションで暮らす現代の銀行家とのどちらが幸福かは、ただ脳内のホルモンによってのみ決まると言える。しかしむしろブッダはその感情の波をなくすことが苦しみをなくすことと説いた。幸福を定義する試みの歴史は浅く、まだ結論づけられずにいるのではないか。

 

◎未来

テクノロジーの進歩により、なんでもできるようになってしまったら、私たちは「何をしたいか?」ではなく「何をしたいと望みたいか?」と悩むのだろうか。

 

 

 

○感想

まさに「事実は小説より奇なり」。事実を羅列するのではなく、筋道立てて語られるからさらにおもしろかった。歴史はおもしろい、さらにそれが今に続き、未来を考える材料になるからさらに魅力的。

 

この本こ作者まじで頭良いんやろうな〜こんなふうに物事をたくさん知っていて、面白く捉えて、整理して、紐づけていけたら気持ちいいよね〜!ってなりました。ウンチクすごい人いますよね、あれの最高次元って感じ。

事実に基づいて語れること、さらに自分の思想がある状態に憧れました。

 

歴史や思想について、体系立てて学ぶことは大切ですが、ストーリーとして一気に読むのも気持ちがよかったです。ただ、学んでこなかったから(学んだけど忘れてしまったから)、理解できず楽しめなかったところもあります。それはこれから、これでフォローしていく。

アラブ世界とか特に苦手なのよね…。

 

この本は比較的読みやすいと思うので、これが済んだらもう一回サピエンス全史の上巻読み直したいな。続編も読みたい。

 

おしまい。

 

 

 

 

続編

 

 



 

本『図解 募集から内定までの採用マニュアル』

春から人事関係の業務に関わることになったため、まずは概要を掴もう!と思い読みました。

読みながら学生の頃を思い出しました。私ぼんやりしてたな…。企業側はこんなふうに考えていたんですねえ。

 

 

○内容

 

◎採用の区分

 

人材調達の区分は、以下の3つ。

①育てる(新卒採用)

②買う(経験者採用)

③借りる(アルバイト、業務委託)

 

①育てる(新卒採用)

新卒は定着率が高く、組織内の年齢構成バランスを確保できるメリットがあるが、短期離職されるとコスト回収不可というデメリットもある。

 

今の新卒採用フロー例。

2019.3.採用計画

2019.8.インターンシップ

2019.11.求人サイト準備・OBOG訪問

2020.3.広報開始

2020.6.選考活動(説明会・選考試験・グループ面接)※絞り込みと見極め

2020.10.内定

2021.4.入社

 

特定のスキルを持つ学生へは人材紹介でアプローチすることもできるが、基本的には新卒には職歴がなく、学歴だけでは判断が難しいため、できるだけ多くの学生と会うことが重要である。

採用要件は「前に進む力」「考え抜く力」「チームで働く力」があれば十分(経産相提唱)。もちろん一部の専門性は除く。

 

学生を募集する段階では、自社の強みとその要因、苦労、未来シナリオを語ると、学生側は働き方を想像しやすい。

新卒のエントリーシートは数を捌くため、まずはサッと読む。再現性のある経験をしているか?他社視線・他社貢献があるか?を見る。『採用しない要件』を定めるのも、数を捌きやすくなるし、ミスマッチが起きにくくなる。

 

※市況

一括新卒採用の見直しが進む。

コネや通年採用、第二新卒が増える?

 

 

②買う(経験者採用)

中途は新たなノウハウが得られる一方、人件費が高かったり、戦力になるのに半年程度かかったり、また大量採用不可。

 

中途採用フローはスピード感が重要。

企業側としては欠員の補填を目的とする場合、早くきて欲しいし、求職者も短期間で次の仕事を見つけたいと考えていることが多いため。また、他社との競争もある。

採用要件決定後、応募受付・選考・内定を2〜4週間程度で行う。スカウトメールや役員同席の面接で囲い込む等、他社より早く動くことが重要である。

 

履歴書はキャリアの一貫性を見る。

職務経歴書を見て、3年以上のキャリアがなければ即戦力にはならないと考える。特に直近のキャリアから見る。専門分野への知識があるか判断するために現場管理職が面談に同席することが必要。

 

③借りる(アルバイト、業務委託)

割愛。

 

 

◎採用の方法

 

人材募集のツールには、

①求人サイト

②人材紹介会社

③紹介予定派遣

 

①求人サイト

前課金は、機能が充実している。大量採用向け。

後課金(成果報酬型)は広告掲載無料、少数募集向け。

 

②人材紹介会社

登録型とサーチ型(=ヘッドハンター)がある。良い人材は他社へも紹介されている可能性あり。

コンサルタントはキャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーがいる。キャリアアドバイザー:求職者のフォロー。リクルーティングアドバイザー:企業のフォロー。求人票作成や採用条件の交渉。

 

企業のブランド力により、やるべきアプローチは異なる。

 

 

③紹介予定派遣

3〜6ヶ月派遣として、その後正式採用するか派遣終了となる。派遣者の年収の25〜30%を手数料として支払う。

 

※市況

出戻り採用、副業解禁がキーワード。

 

 

◎採用に関わる法律

 

採用面接時のNG(差別等)、障害者雇用割合、個人情報の扱い方等が載っていましたがブログでは割愛。重要なのは承知ですが、だからこそ中途半端なことは書けないので…。

 

 

○感想

 

転職する気は今のところないけれど、会社の人事が何を考えているのかを理解する糸口になりました。

 

ちょっと怖かったのは、パートや単純作業の正社員についての項目で、

『この層は企業理念や業績ではなく、目先の労働条件(賃金、福利厚生)に敏感に反応します。』

と書いてあったこと。

自分自身を振り返ると、めちゃめちゃやってました。ダメだって各所から言われたけど、それでもやっぱり条件気になってしまっていた。これが後々の違和感に繋がらないと良いな。

 

大学生の頃ぶりに、四季報や業界地図を見ると、思いの外楽しかったです。社会人こそ日々のニュースを追う以外に、こういうまとめられた本を読むと世の中の動きが理解しやすくなりますね。

 

 

○やること

 

自社が求める人材を知りたいと思いました。学生向けに会社や人材紹介会社のHPで公開されているものをチェックします。

それから明示されていないけど自社にはどんな人が多いかを考えてまとめる。

そして何より、部外者に語れるように自社のことを知るために、HPを入り口にして調べていきます。

 

あとは興味で、自社の組織体系と人数、年齢比率、中途入社人数、管理職人数、各男女比を調べる。

 

 

おしまい。

 

関連記事

 

図解 募集から内定までの採用マニュアル

図解 募集から内定までの採用マニュアル

 

 

関連:

映画「それでも夜は明ける 12years a slaves』

2014年の映画。アカデミー賞では作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門を受賞しています。黒人奴隷がその当時どのような扱いを受けていたのかがわかる、ドキュメンタリーのような作品です。

 

 

○内容

 

1841年、ニューヨークでバイオリニストをしていたソロモン・ノーサップは、妻と二人の子供と幸せな生活を送っていました。しかしある日突然誘拐され、南部の農場へ売られます。そこから12年間、彼は奴隷として過ごしますが、遂にはその状況から逃げ出すことに成功します。

ノーサップと、彼と同じように奴隷として買われた少女を中心に、当時どのような残虐なことがあったのかが描かれています。

 

原作は1853年発表の、奴隷体験記『Twelve Years a Slave』。ソロモン・ノーサップが書いています。彼は奴隷制度廃止運動に取り組んでいますが、その死については一切の記録がないそうで、それがまた怖い。(暗殺?)

 

 

○感想

 

映画の中で、奴隷の少女が「私を殺して」って言うシーンがあります。そこが1番苦しかった。

 

映画『スキャンダル』を見ても思ったのですが、やはり映画は世界中に情報を発信する強いツールなんですよね。ニュースではなく2時間という、ある程度話題を深掘りできる時間にも意味があるし、映像は文章よりも情報量が多くなる。この映画でも衝撃的な映像が多く流れます。だからこそ訴求力がある。世の中に訴えるべきことを、映画が題材として扱ってくれるのは良いことですね。

 

人種差別の歴史ざっくりまとめ。

 

1700年後半

バージニア州、メリーランドのプランテーションのために、黒人奴隷が連れてこられる。売買される。

1776年

アメリカ独立。

1840年

北部では自由黒人という肩書があった。(この映画を見て初めて知った。)仕事のためにアメリカに渡ってきたり、主人から解放されたり、白人との間に生まれた子のこと。

1860年

奴隷制反対派のリンカーンが大統領になる。この頃奴隷は400万人いた。

1861-1865年

南北戦争アメリ憲法奴隷制度が認められていたが、1865年に廃止される。

1896年

ジム・クロウ制度(-1954年。人種隔離政策)

1954年

ブラウン判決。この前後はいっぱい事件がある。アイゼンハワー大統領の頃(任期:1953-1961年)。

1960年代

公民権運動。キング牧師とか。1964年公民権法制定。ケネディ大統領の頃(任期:1961-1963年)。

2009年

オバマ大統領。非白人系として初めての大統領。(任期:2009-2017年)。

 

 

 

大量生産の時代に、労働力として安く使えた黒人奴隷。簡単に解放されなかったのには、経済的な理由があったんですね。

そして法制度上差別がなくなってきても、現実はまだ厳しそうです。進んだと思ったら、また逆行したりして。

 

この映画では1841〜1853年のことが描かれていました。

 

その後の時代、特に1930〜2010年頃のことを『大統領の執事の涙』が描いています。長い期間を描いていて内容濃いのにわかりやすかった。この映画の主人公の父親も奴隷でした。

映画の中の出来事がつい最近のことなのだと思うと衝撃です。

大統領の執事の涙(字幕版)

大統領の執事の涙(字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

 

おしまい。

 

それでも夜は明ける(字幕版)

それでも夜は明ける(字幕版)

  • 発売日: 2014/10/02
  • メディア: Prime Video
 

 

 

映画『パラサイト 半地下の家族』-金を稼げよというメッセージ?

泣いた。けどちょっと不満。

カンヌではパルムドールアカデミー賞4部門受賞している作品です。

 

 

○内容

 

半地下に暮らす4人家族。

事業に繰り返し失敗している父、強気な母、何度も大学受験しているが受からない息子、美大を目指すがうまくいかない妹。貧乏で、内職で生計を立てている彼らのところに、ある日息子の友人が訪れます。友人が留学する間、金持ちの娘の家庭教師を代わってほしいという打診でした。その金持ちの家は、半地下の住まいとは対照的に、高台にありました。

そこで家庭教師を始めた息子は、その家の妻からの信用を勝ち取り、家族へ仕事を斡旋することに成功します。家族は以前よりゆとりのある生活ができるようになります。

しかし彼らはある時を境に、その家の秘密を知ってしまいます。そして大きな事件が起こります。

 

 

○感想

 

クライマックスのシーンで泣きました。あんなに屈辱的なことあるか。そりゃ怒っちゃうよ…。映画の中で、半地下の家族には匂いがあると言われていました。切り干し大根のような、地下鉄のような匂い…と言われる。映画を見ている観客には伝わらない、でも想像できるこの「匂いがある」という表現が特につらかったです。

 

この映画は貧富の差を描いています。カンヌはこのテーマの作品が強いんでしょうか。万引き家族しかり、そういえば『誰も知らない』もそう。調べてみます。

 

腑に落ちなかったのですが、この映画の結論は、「屈辱を味わいたくなければお金持ちになりましょう」なのでしょうか。そんな絶望的な結論出さないでほしい。映画なんだから、ファンタジーを見せてほしいのに。愛があればいいんだとか、強者が語ってくれたらいいのに。貧乏はつらいでしょう、屈辱でしょう、お金稼げばそこから抜け出せるよ、ってそんなのわざわざ映画で言わなくてもわかってるじゃん。

 

と、終盤かなり不満に感じてしまいました。

 

でもふと気付いたのは、そういえば貧乏な人たち、皆スキルがあったなということ。全員チャンスをモノにするだけの力があった。知識教養はある、美的センスがある、運転だってうまい、料理だって掃除だってできた。そんな彼らでも半地下に暮らさなければいけないほど仕事がなかった。これは彼らだけの問題ではないのではないか。この映画はそういうことを言いたいのか。

 

さらに思い返すと、息子に仕事を紹介してくれた友人は、優秀で留学に行けるほど財力のある大学生だった。貧乏なフリーターとブルジョア大学生が交流しているということはやはり、この映画は貧富の差を描いてはいるものの、その間には壁はないということも言っているのか?

 

悶々。

 

この映画のどこが評価されたのでしょうか。これから調べてみます。

(調べた結果。なるほど〜!)

 

 

メモ。ファッションプレスより「この社会で絶え間なく続いている、 “二極化”や“不平等”を表現する1つの方法は、悲しいコメディとして描くことだと考え可笑しく、恐ろしく、悲しい物語を作りました。」(ポンジュノ監督)

 

 

そういえば作中、金正恩のモノマネしてるシーンがありました。かなりバカにしてた。隣国なのにいいのか…むしろ韓国では鉄板ネタなのか…謎です。

 

 

***2021/1/8追加***

終わりに、息子の「こういう計画を立てました」という語りがありましたが、あれは体育館で父が言った「計画通りには人生ならない」という台詞を踏まえてみると、叶わないことを暗に示していたんですよね・・・それに気づき辛くなりました・・・。

 

 

おしまい

 

映画『スキャンダル Bombshell』-フィクションじゃない。

女性蔑視を扱う点で良い映画。

考えるところが多過ぎて、感想は支離滅裂になってしまいました。

 

○内容

 

事実に着想を得たフィクションです。元ネタはこれ。

 

フィクションということになっていますが、実際はほぼノンフィクションです。

 

テレビ局FOXニュースのCEO・ロジャー(ジョン・リスゴー)は、キャスターに抜擢の可能性を匂わせながら、性的な行為を強要することを繰り返していました。拒もうとすると契約更新しないことを匂わせたり、人気のない番組に降格させたりするため、キャスター達は簡単に拒否できません。

かつてロジャーを拒否し降格されていたグレッチェン(ニコール・キッドマン)は、自身の番組内でロジャーの意図に反するチャレンジをします。例えば世界ガールズデーだからノーメイクで番組に出る。女性を客体化するのをやめようという。(女性の客体化?↓)これに対しロジャーは「更年期で汗だくの、テカッた顔を見せるな。早くメイクしろ。」なんて言いながらドーナツを貪る。…

ロジャーに反抗した結果、グレッチェンは解雇され、そののちにロジャー個人を、『性的な行為を強要し、それを拒絶された結果として自身を解雇した』と訴えます。

 

一方、野心的な若手のケイラ(マーゴット・ロビー)はロジャーの要求を受け入れ、人気番組に出ることができるようになっていました。しかしグレッチェンの訴えが報道された後、自身の選択は正しかったのか葛藤します。

 

そして人気キャスター・メーガン(シャーリーズ・セロン)。FOX社内はグレッチェンの訴えを受け、内部調査を始めます。メーガンは当初沈黙し、かつて自分にもロジャーの誘いがあったことを隠しますが、ついにはそのことを告白します。更には同じ経験をしたものがいないか社内を調べ、当時ロジャーと関係のあったケイラにも接触します。

 

FOX内外からロジャーに関して多くの証言が寄せられ、訴訟を起こしたグレッチェンは勝訴。ロジャーはFOXを解雇されます。

 

 

…映画を見るとき、登場人物の役名も、俳優も覚えられないので困ってます。邦画でもそうですが、洋画では特に。すごく有名な人でも全然わかんないし、最近特殊メイクがすごくて、もう無理…。閑話休題

 

 

○感想

 

こういう話が、映画の題材にされるのは良いことですね。多くの人が問題意識を持つきっかけになります。ただなんとなく違和感があったのが、この映画が「衝撃のセクハラスキャンダルを描く」と宣伝されていたこと。セクハラ…?

性的な関係を強要することだけがセクハラと思われる、誤解を招くのではないかと不安になってしまいました。

 

作中ロジャーは、過去仕事関係の女性複数名と性的な関係を持ったことについて、『(彼女達が自分と関係を持ちたがっているかどうかは)目を見ればわかる。あの頃は皆そんな目だった。今は太っているが昔は…(そこそこ俺もイケてたんだよ)。』という発言。本当にやめてほしい!本気で言ってるとしたら怖すぎる!こんな誤解をしている男性多いのかな。作中の流れとして、関係を持った女性達は権力を振りかざされて従ったのみのようです。

 

セクハラ含め多くの性被害に悩む人に問いたいのは、私たちは"思わせぶり"なのしょうか。作中メーガンがロジャーに誘われたという過去を告白したことに対して「それは君がセクシーだからだよ。」という男性がいました。その発言の意図がわからないのですが、もしかしてあなたはセクシーなんだよって褒めてるつもりなのか?勘違いされるようなことをしているあなたが悪いと説教しているのか?もしかして、痴漢されるのも女性が油断してるからなの?満員電車で体を密着させざるを得ない時にも、誘っていたなんて言われてしまうのか?

本気でそんなことを思う人はいる。そして勘違いされて被害を受けることがある。私たちの身の回りには多くのトラップがあるんですね。

 

男女差別やセクハラ問題について考える時、いつも悩むのは、私自身は女性であることで良い思いをしたこともあるのではないかということ。優遇された過去がありながら、堂々と批判できるのかということ。

振り返ってみれば、かつて優遇されたのって、人生がかかったような時ではありませんでした。例えば席を譲ってもらう、映画館のレディースデー、飲み会で偉いおじさんの近くに座れて、直接話ができる。…そんなことにどれ程の価値あるのでしょうか。例えば男性のように、入試で点差をつけられるような、人生における決定的な事柄で優遇されたという自覚はありません。(入試で点差?↓)

 

入試で下駄をはかされたわけでもない、就職試験で女性だから採用されたわけでもない(私の勤務先に採用されている女性達の出身大学は、男性に劣らないレベルであり、優遇されているとは考えられません。)。やはり優遇されてきたとは到底思えない。

ただ、自分にはまだ関係ないものの、産休育休をもらうときには、"優遇"されてしまったと悩むかもしれません。もしかして今だって、女性は地方に飛ばさないようにしようという配慮をされているのかもしれない。そんな事実があったら、私は女性が不遇なところにだけフォーカスして、批判していいのでしょうか。

 

ここまで自身の葛藤を書いてきましたが、このような考えを発信することは男性にはウケないでしょう。年代が上の人にもウケないと思う。多くの人が異性として魅力的なのは力のある男であり、従順な女(賢く見えるが自分よりは劣るとか、少なくとも自分より優位に立たないもの)と考えているのではないか、なんて考えるのは極論でしょうか。ウケない、ということは、聞く耳を持ってもらえないということです。(話を聞いてもらうために、従順な女を演じる必要もありませんが。)

自分に都合の悪い時だけ、自分が得しそうな時だけ、優遇されるよう振る舞った自覚はないのかと聞かれると、正直答えられない。しかも私が男女差別に違和感を感じるのは、自分に直接的な被害があったときだけ。こんなご都合主義な私には、批判的になる資格はないのではないか。

 

こんなふうに、いつも理想と現実をループして考え込んでしまいます。自分が悪いのか?優遇されてきたのではないか?男性だってつらいことがあるのでは?そもそも私にこんな大きな難しい話題を語る資格があるのか?…等と、女性ばかりがこのような不毛な悩みを抱えなければいけないことこそ、セクハラの一番の問題点だと思っています。

 

 

おしまい

 

 

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