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本『サピエンス全史(下)』-マクロな歴史はおもしろい

突然下巻から感想を書きます。上巻は一年前くらいに読んだけど、記憶がおぼろげ…。

 

この本めちゃくちゃ面白いんですが、中身が濃すぎて集中しなきゃ読めません。読むのに体力がいる。

 

 

○内容

 

※本に書いてあったことと、私の解釈・感想が入り混じっています。

 

◎宗教

キリスト教イスラム教は、混合主義によるものである。一神教、二元論、多神教アニミズムと矛盾するものまで混ぜ合わさっている。

仏教は苦しみからどう逃れるか?一神教は神は私に何を欲するのか?

イデオロギーも宗教である。なぜならば「人の規範と価値観の体系」であり、なおかつ「人が定めた法ではない」から。

人間主義にも種類があり、①自由主義的。個人を重んじる。②社会主義的。平等を重んじる。これは一神教の神の前に皆平等という思想と全く同じではないか。③進化論的。例えばナチス

 

現代の宗教の代表は科学である。神に祈る代わりに学問が発達した。特に数学。テクノロジーと科学が紐づいたのはこの数百年。技術が力になるとは考えられておらず、戦術(組織や規律)が勝敗を決めた。知るべきことを全て知っていた神たちでさえ、成し遂げられなかった病や戦争をなくすこと、人類が技術によって叶えようとするのは不遜ですらある。

19世紀まで壊疽を恐れて麻酔なしで傷を負った手足を切り落としていたのに、今はそれを克服した。これから、死を克服するか?死の克服が目の前にある近代、ほとんどの宗教もイデオロギーも死と死後の世界を語らなくなっている。キリスト教徒と違って、資本主義者が死んだらどうなるのか?なんて語られない。

 

科学はそれ単独では栄えない。経済、政治、宗教と関係し、そこで影響することができるものだけが栄える。

1769年、クック船長はタヒチ島や、その他の島々、オーストラリアやニュージーランドを含む地域をイギリス領とした。太陽までの距離を測るという科学調査目的だったのか、軍事的な目的だったのか。

1750から1850年にかけて、ヨーロッパ はアジアの領土の多くを征服し、現代に至っても世界はヨーロッパ 風だ。なぜヨーロッパ なのか?テクノロジーの差である。日本が追いつけて中国やペルシアが追いつけなかったのはなぜか?考え方が違ったから。帝国主義と近代科学。

 

コロンブスは1492年にアメリカ大陸に旅して、1519年にはカリブ海のほとんどをスペイン人が征服した。先住民のほとんどはスペイン人の持ち込んだ病原菌で死んだり、奴隷として過酷な扱いを受けて死んだ。代わりにとイギリスがアフリカ系の奴隷を売るようになった。

 

(黒人奴隷の歴史↓)

メキシコはコルテスが、インカ帝国はピザらが征服した。ヨーロッパ人以外アメリカを征服しようとしなかった。日本人のら1942年アラスカ進行を除いて。

 

 

帝国主義と近代科学

イギリスがインドを征服したとき、文化も地理も動物までも科学者が調べた。インドの人たちは興味がなかったのか?征服者たちがその土地を知る事で、より統治しやすくなる利点派大きい。さらに新しい知識を獲得することはもれなく良いこととされるし、その知識を使って、征服した国のインフラ整備をすれば、「白人の責務」を果たしたとふんぞりかえることができる。それを科学者は裏付けようとしていたが、今は人種間に差はないと結論づけられた。文化主義の時代。

 

 

◎資本主義

富を投資するようになったのはこの500年の話。科学革命が起き、己の無知を認め研究を進めてていけば進歩するのだとわかり、将来への信頼ができたから、信用が生まれ投資できるようになった。(信用創造ってやつですね。)かつては神が万能で、知らないことはないという思想だったから、「己の無知を認め」ることができなかった。さらに富めるものはひたすらにそれを使い、近代の社地のように株や債権をかぎまわることはなかった。(贅沢な時代があるからこそ、今見ると信じられないような豪華絢爛な芸術品が生まれたのだろうし、うらやましい。)科学的な進歩が止まれば、経済成長も止まる。

 

コロンブスのような探検家へ投資するとき、それは不安定だった。だから株式会社ができた。一人頭の投資額は少なく、お宝が見つかれば分けられる。スペインに打ち勝ち、オランダ海上帝国を作り上げたのは国王ではなく商人達だった。1568年。1602年、オランダ東インド株式会社、証券取引所ができた。拡大した会社は、インドネシアを征服した。企業が国を植民地としていた。同時期にオランダ西インド株式会社は、今のニューヨークへ進出していた。(イギリスに1664年奪われた。)先住民とイギリスの侵食を防ぐために作られた防壁が、今はウォール街の下に埋まっている。なにそれステキ〜!

オランダの失脚ののち、フランスのミシシッピ株式会社も失敗、ミシシッピ・バブルがあった。フランスは国として信頼を失い、ついにはフランス革命へと発展した、ら(この辺スピード感凄くて面白い!!)イギリスは強かった、東インド会社はインドを抑えてた。企業が、(資産が?)国へ影響したのは例えばアヘン戦争。結果香港はイギリス領となり、麻薬取引基地となった。

資本主義の章で大興奮。

 

 

産業革命

資本主義に続き技術が発展、我々はエネルギーを作った。農業が発達し、遺伝子までも操作する。

資本主義と消費主義は時代を逆転させた。貴族は散財し市民は倹約していたのに、今では資本家は倹約し投資に追われ、市民は享楽的で借金を負う。

 

 

◎平和

産業革命のころ、親密なコミュニティは崩壊した。国家が代わりに力を持った。例えば家族やコミュニティが持っていた役割(お金を貸し借りすること・裁くこと・家を建てること・医療等)を代替し、強くなった。しばしば女性はコミュニティの持ち物と見なされてきたが、独立した個人となった。

1945年以後、他国を征服するために侵攻することはほとんどなくなり、すでに支配していた国の解放も(それまでの歴史と比べれば)迅速かつ平和的なものだった。例えばイギリス・フランス、そしてソ連崩壊。もちろんアラブ世界、アフリカでの紛争は無視できないが、国家間の征服を目的にした侵攻はほとんどなくなっている。

平和を叶えられたのはなぜか?戦争によって得られる富が減ったから。畑や家畜や奴隷より、技術ノウハウや銀行のような組織の方が大きな資源となったから。

 

 

進歩主義

 

幸福度という指標に意味はあるのか?

 

学ぶこと・成長することは喜びだとここ5年ほど色んな人から聞かされてきていたけれど、やっぱりそうだよね。画一的に進歩が正義とは言えないよねえ。まさに『独善的』。人それぞれ異なる立場があって、一人一人ストーリーを持っていることをやっと理解できるようになってきました。今が幸せか?というのは、誰にとっての幸せを考えるのか、定義づけが必要である。

科学は幸福を定義した。関連↓

生物学的には、土壁の寒い部屋で暮らす昔の農民と、空調の効いた清潔なマンションで暮らす現代の銀行家とのどちらが幸福かは、ただ脳内のホルモンによってのみ決まると言える。しかしむしろブッダはその感情の波をなくすことが苦しみをなくすことと説いた。幸福を定義する試みの歴史は浅く、まだ結論づけられずにいるのではないか。

 

◎未来

テクノロジーの進歩により、なんでもできるようになってしまったら、私たちは「何をしたいか?」ではなく「何をしたいと望みたいか?」と悩むのだろうか。

 

 

 

○感想

まさに「事実は小説より奇なり」。事実を羅列するのではなく、筋道立てて語られるからさらにおもしろかった。歴史はおもしろい、さらにそれが今に続き、未来を考える材料になるからさらに魅力的。

 

この本こ作者まじで頭良いんやろうな〜こんなふうに物事をたくさん知っていて、面白く捉えて、整理して、紐づけていけたら気持ちいいよね〜!ってなりました。ウンチクすごい人いますよね、あれの最高次元って感じ。

事実に基づいて語れること、さらに自分の思想がある状態に憧れました。

 

歴史や思想について、体系立てて学ぶことは大切ですが、ストーリーとして一気に読むのも気持ちがよかったです。ただ、学んでこなかったから(学んだけど忘れてしまったから)、理解できず楽しめなかったところもあります。それはこれから、これでフォローしていく。

アラブ世界とか特に苦手なのよね…。

 

この本は比較的読みやすいと思うので、これが済んだらもう一回サピエンス全史の上巻読み直したいな。続編も読みたい。

 

おしまい。

 

 

 

続編