4月からの準備その2。
その1はこちら。
その3はこちら。
○内容
1.前提として
育成には限界があります。素材の目利きはそのまま経営力となり採用に失敗することは、会社の負債を増やすことといえます。
新卒・中途に関わらず、採用は限られたパイの奪い合い。「採用しないとわからない」なんて言ってはいけません。
2.五つの課題
①片手間でなく採用それそのものをやる必要がある。
弊社は採用のための部署があります。その点はクリア。ただ、学生に最初に接触するリクルーターは、事業部から借り出されて片手間で採用活動します。この本のルールでいうとアウト。
②自社が欲しい人材を、オリジナルな要素を考える必要がある。
選考時重視する要素は、過去20年ほとんど変わっていないそうです。(コミュニケーション力・主体性・チャレンジ精神・誠実性・協調性。経団連HPより。)
時代が変わっていくなかで、その要素を変えなくていいのか?
(余談)
採用=営業とマーケティングといえます。パイの奪い合い(≠最大化)であるので、営業よりも厳しい。マーケティング用語に、AIDMAというものがあり、消費者の心理プロセスの略語ですが、これはそのまま求職者の心理プロセスに重ねられます。
※AIDMA…以下の順に移行する。
Attention(注意)
Interest(関心)
Desire(欲求)
Memory(記憶)
Action(行動)
③求職者が何を求めているのか知る必要がある。
知らないまま頓珍漢な採用活動をしても意味がない。お互い欲しいものを提示して、マッチングしましょう。
④マーケットを知る必要がある。
これは先日の記事に書きました。新卒の場合、どんなスケジュールで動いているか?とか。
⑤目標と期限から逆算する必要がある。
これ上司にめちゃめちゃ言われてるやつ。問題解決の基礎ですが実際できてない人ばかり。これは徹底しましょう。
3.採用活動のコツ
採用活動においては「どんな人材を何人採用する」という目標を明確にする必要があります。どんな人材を採用するか、とは採用基準をどう定めるかということです。
採用基準を下げること=お客様への提供価値を下げることor育てるコスト・時間をかけることといえます。基準を満たさない人を採用することは負債をかかえること。それなら採用人数を減らし負債ゼロの方が良いですね。求職者を資産とみるか負債とみるか、判断するために採用基準を設けます。
実践心理学NLP(神経言語プログラミング)の6つの意識階層というものがあります。
ピラミッド状で上位から、
1.自己認識「私は〜である」
2.信念・価値観「私は〜という考え方を大切にしている」
3.能力「私は〜できる」
4.行動「私はいつも〜している」
5.環境「私は〜に所属している」
この1,2は変えにくいのですが、3〜5は後から変えられるので、1,2と比べて重要ではありません。
例えば能力のなかでもコミュニケーション能力は重視されがちですが、本当は後から変えられるからさほど重要ではないのです。
だからこそ、この階層2の「信念・価値観」のズレを防ぐことが大切です。採用活動を通して、経営理念と求職者の価値観マッチングをしましょう。
(余談)夫婦の離婚の原因第一位は、性格の不一致だそう。これもこの意識階層の1,2のズレですね。
・基準には論拠を持ちましょう。複数の担当者で共有しましょう。
・採用担当に必要な能力は以下。これは営業に必要な能力と同じです。一人で全部は無理なので、チームで補完しましょう。
1.ライティング力
2.プレゼンテーション力
3.ヒアリング力
4.商談力
5.クロージング力
4.採用プロセス
①知ってもらう
自社そのもの、そこで得られる価値、採用基準を知ってもらうプロモーション活動をしましょう。
プロモーション活動howto
1.トレンドを知ること。
最近ならリアルと早期。
2.アプローチすること。
方法としては、
SNSを用いたソーシャルリクルーティングと、リファラル採用やマッチングプラットフォーム(Linkedin等)を用いたダイレクトリクルーティングがあります。
※マスアプローチしていることを、求職者に察されないように。「あなたを特別視している」と感じさせること。
②採用面接(初期)
初期の採用面接の目的は、採用基準に達する人材か見極めることと、求職者側を惹きつけることです。
リクルーター等が接触する時には本音を引き出すスタンスをとりましょう。例えば問い詰めるように一問一答はしない、面接シートを見ない
、共感する。本音を出させて安心させることは、求職者の惹きつけになります。
ただし初期に志望動機は聞くべきではありません。まだ決めてない相手に言わせても、それは採用側が安心したいがための自己満足に過ぎません。
また、内定辞退の少ない会社は審判員にならず併走者、応援者になっています。見極めるばかりでなく、求職者の目線を想像することで、ミスマッチも防げます。内定辞退が多いのは採用が下手ということです。
③内定者フォロー
何で迷っているのか?ボトルネックを確認し自己開示しましょう。ここでも共感・安心感がキーワード。非公式の場をセットしてクロージングしないようにしましょう。
④採用面接(後期)
最終面接の段階で、入社したい理由を聴きましょう。求職者本人に考えさせることで納得感が出ます。自分なりに考えて納得したと思うと、辞めないようになります。
※本筋とずれるけどメモ
本業に全力で、手続きは片手間で。
仕事で資料をキレイにするのは片手間でやるべき。息をするように日常の業務はこなす。
○感想
採用担当者のあるべき姿勢や考え方がわかりました。私自身が業務で関わるのはほんの一部ですが、全体を知ったことで、これからより楽しくなる気がします。
○やること
・経団連HP見てみる。これは興味。
・選考時重視する項目が20年間がほとんど変わっていない、という話が書いてありました。これは日本企業の話だったので、海外ではどうなのかを調べてみます。
ただ、どこを取っ掛かりにしていいか難しい…。
おしまい