東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗・元内閣総理大臣の発言を受け、世間が、男性が、男女不平等に少しだけ気づき始めたことを嬉しく思います。
自分が結婚するまでに、選択的夫婦別姓が実現しなかったことは悲しいけれど、その悲しみをエネルギーに変えて、これからもフェミニズムを勉強していく。
今回は本の感想2つと、イベントの感想を1つです。
本『よかれと思ってやったのに』
男性の嫌なとこあるあるを書いた本。なのに、半分は自分のことか?と思う本でした。反省するところも多々。
内容はかなり感覚的で、サクッと読むにはいいかなという軽いレベルでした。まぁ導入レベルの本して書かれたのかな?
○内容
いくつかピックアップ
・小さなめんどうを押しつけてくる男たち
性的役割分業意識から、それって女の人がやることでしょ?と思っていたり、それがデフォルトになり、基準を低めに設定し、ちょっとゴミ出ししただけで「やってあげてる精神」を持つこともある。
面倒を回避できるのは多くの場合「優位な側」や「許される側にいる人」です。・・・これは誰かに対する圧力や、他の誰かの諦めによって獲得した状況であることも多く、そこにあぐらをかくのはとても危険です。
・謝らない男たち
釈明行為には4タイプあり、
1.謝罪
2.弁解
3.正当化
4.否認
ごめんと言われても謝られた気にならなかったのは、気のせいではなかったのです。謝罪されていたのではなく、弁解されていたのだなあとかね。
・話し合いができない男たち
男女でそもそも「話し合い」という行為の捉え方が違っているように感じられます。女性たちは概ね、話し合いを(目の前の問題(あるいは潜在的な問題について互いの意見を述べ合い、そのすり合わせを図る行為と捉えていました。一方の男性には話し合いを相手の機嫌をなだめるための行為と考えている人が少なくありませんでした。
ホモソーシャルについても説明があり、とてもわかりやすかった。
○感想
私はわざと求められる性的役割(女は家事をするとか)の逆を演じることがありました。それには目的があって、「女だからって家事とか親戚付き合いとか、めんどうなことを押し付けるなよ」という意思表示をすること。
また、男みたいな考え方だねと言われることもありました。この発言に問題があることを傍に置いたとして、私がなぜそうなったかはまだ言語化できていません。
しかしそんな考え方をしていた結果、意図しないところで、この本に書いてある男性のようなことをしていたことに気づきました。謝らないとか、議論できず攻撃されたと思い反撃するとかね。よくやっていたことだけど、あぁ今までしてきたことが言語化されて、反省しやすくなったなと思った。
これはいい気づきで、自分の中の暴力性や矮小さをはっきり認識できた。
ただ、私が持っていた男性のような特性は、女の私を守ってくれていたとも思います。
本当は嫌なのに、黙って我慢して家事をするなんてしてはいけないと、私は考えています。ちょっとしたことなのに、大袈裟に俺はなんて協力的な男だ!とアピールする男性のように、女性たちにもそんなふてぶてしいマインドを持って欲しいななんて思う。
本の中のすばらしい言葉を。
かつて「売春」を「買春」と言い換え、買う男の問題なのだと読み変えたように、暴力をジェンダーの視点から捉え直し、男らしさに関する問題として掘り下げていく。まだまだ未開拓な部分も多いけど、男が自分たちで言葉をつくっていかなければならない。私はよく、「ワードがワールドを作る」とよく言っています。言葉がないと現実を認識できないので。でも、既製品の言葉に頼ると単に男らしさワールドが再生産されるだけなので、これを破壊する創造的なワードが必要です。
私が普段言っていることですね。
「嫁と言わないで。言葉はその背景にある歴史や思想を反映したものだから。」
めんどくさい女だと思われるのでしょうか。
既得権益に気付かず自由にしてきた男性たちにとってはノイズでしょうが、10代から悩んできたことを、無駄にこんなことに時間を割いて勉強してきたことを、やっと言語化して表に出せるようになっただけ。
勉強は力です。知れば考えられる。言葉にできる。言葉にすると相手に伝わり、相手が変わるかも。めんどくさがられて、距離を置かれる方が、そんな人と付き合うより快適でしょう。
自分が生きやすい環境を手に入れるために私は勉強します。
最近はこんな記事も。男が言うんじゃねえ!と心の中の女が騒ぎますが、そんな対立は不毛。そして私はデリケートでないのでこの記事のことが理解できますが、キレイ好きな方はつらいかもね…。
本『キム・ジヨン』
気になってた本、やっと読めました。
本当にそうだなあと思うコラムがあったのでそれを共有。
イベント『橋本聖子さんと話そう』
話題の橋本聖子さん!
フェミニズムに関心を持ってから、フォローしていた櫻田綾乃が主催されたイベントです。仕方ないけど、Zoomで残念。直接お会いしたかったな。
30歳以下を対象としたイベントでした。
国務大臣として出席される予定でしたが、急遽国会議員として、五輪組織委員会会長としてのご出席に。
急遽立場が変わって大変な中、お話をしてくれました。
以下は当日メモしたことの抜粋。
***
第五次男女共同参画の計画には、若い声を反映している。
政治を身近なものにしていかなければならないと思っている。第四次計画までもよく考えられたものではあったが、ユースにとって身近であったか疑問だった。政治は近いということ、法案を自分たちのものと思って欲しかった。自分たちの声が政策に反映されると知って欲しかった。
政治家としての務めは、自分の信念を持つことだけではなく、違う声との接点を持ち、本当に求められていることは何か考えること。
ユースの声だけで第五次計画を作ってはどうかと提言するほど勇気づけられた。専門委員会に提出された。
大臣ではなくなったからこそ、議員として発言しやすくなった。無所属だからこそ。
(これは事務局から)パブリックコメントは送れる。議員へメールできるし、電話番号も公開している方はいるので、身近なものと考えて連絡してみてほしい。
個人的な話になるが、出産を事故扱いされた。
無理やり頑張ったことを民間企業で働く女性に非難された。あなたがやるからできると思われる。駐輪場で授乳搾乳が普通はできない。だから国民の代表であるあなたもちゃんと休むべき。
オリンピック選手がセカンドキャリアで議員を目指すことは世界的に一般的であるが、日本はまだ少ない。
女性立候補者に対して、路上演説等でも嫌がらせやヤジ、セクハラが多い。
クオーター制・理事の定員を増やすことのアイデアを橋本さんが出した。急遽会長にあり、ジェンダーバランスを取り入れなければならないと。
ユースの意見を聞いてくれる議員、アクションしてくれる議員さんはいるし、声をあげる人が増えれば議員連盟や超党派を作って、政策勉強会や調査会で推し進めていくことができる。
選択的夫婦別姓は早急に解決すべきと思っている。今まできちんと議論される場が用意されていなかった。
住んでいる地域の議員へ意見を伝えて欲しい。
全ての物事に対して諦めないで欲しい。政治に対して諦めたい人もいると思うが、政治家に不信感を持つ等、国民に選ばれた人だからこそ意見をどんどん言って、問いただし、有権者がいて有権者がある。
○感想
政治家と話すことなんてないしな〜、テーマが男女共同参画なら日頃から気にしているから少しは話せるかもな、という軽い気持ちで申し込んでいたイベントでした。直前で立場が変わり、超話題の人となった橋本さんと話すことになり面白かった。
国会で話されていることも大事だけれど、まずは市議会議員の方のことを調べてみようかなと思いました。電話するなんてハードルは高いけれど、地元の女性団体等を探して、そこを介してまたこんなイベントに参加してみたい。
最近は一人で勉強するよりも、それを共有する仲間がいて、行動していきたいと思っています。このイベントを主催した団体に連絡したんですが、なかなかレスポンスなくて悲しい。
おしまい。