久々に純愛ものを!-映画『冷静と情熱のあいだ』
かなり前に原作を読んでいましたが、内容忘れてました。
大学生の頃、江國香織さんの本が好きだったんですよね。また読み返してみたいけど、引越しで捨てちゃったかなー。
○内容
イタリア・フィレンチェ。絵画の修復を学ぶ順正(竹野内豊)は学生時代付き合っていたアオイ(ケリー・チャン)が、ミラノのアクセサリーショップで働いていることを知る。付き合っている当時、アオイは妊娠し、順正に黙って堕胎していた。彼女が勝手に堕胎したことに怒り、傷付けてしまったことを彼は引きずっていた。しかも順正に内緒で彼の父親は、アオイにお金を渡していたことを、後から知ることになる。
そんな彼女を思い続けていた順正は、ミラノで彼女と再開する。しかし彼女は香港で知り合った実業家と付き合い、幸せに過ごしているように見えた。追い討ちをかけるように、順正が修復中の絵を、何者かに切り裂かれら事件が起こる。信頼を失った工房は休止に追い込まれ、遂に順正は日本に帰国する。
実はアオイも、順正のことを思い続けていた。実業家の彼のことも愛していたが、順正との過去は隠し続けていた。同じように、順正もその後付き合った恋人を大切に出来ずにいた。
アオイと順正の、それぞれの今の恋人は、寂しい思いをしている。本心を見せず、過去を隠す。相手を知りたいと思うのに、それを伝えてくれないのは当然寂しいのに、受け止めようとする優しい恋人たち。可哀想すぎる…。
学生の頃、二人は30歳の誕生日にフィレンツェの大聖堂で会おうという約束をしていました。その約束を果たした後、二人の関係は…
修復士は、失われた時間を取り戻すことのできる唯一の仕事だと思う
良いセリフ。
○感想
最高でしたね!こういうテンションで語ってはいけないジャンルの映画でしょうが、最高!!!
19歳で恋した時から、30歳まで思い続けられるのすごいよねえ。ずっと一緒にいようね、って学生時代言い合っていたことを、本当にずっと思い続けられるのすごい。大体こういうのは、会わない方が幸せだと思うし、過去は美化して閉じ込めておいた方が、悲しくならないで済むけど、映画でドラマチックに描いてあるとやっぱ憧れる。
自分を振り返ると、なんかそういうのなかったな…いやあったのかもしれないけど覚えてない…。
江國香織の、どの作品に書いてたかな、抱きしめて欲しい時に「腕に入れて」って言う台詞があるんです。大学生の頃、そのセリフを気に入ってました。懐かしい。
なんかこう、江國さんの作品には、自分に酔うようなセリフ、描写が多くて、その甘さに憧れていました。あと不倫の話がめちゃ多い。本命という居場所がある安心感を持ちながら、裏切りの背徳感を味わいながら、現実から離れられる恋は当然楽しいですよね…。江國さんはそれをすごくキレイに描くので、当時不倫を素敵なことのように思っていました。
まあ実際、現実とは無関係なところに、そんな人がいたらハマりますよねえ…息抜きの場というか、仕事とか、家族とか、生活とかと無縁の切り離された時間というか。
過去の恋愛の思い出も、それも同じ類のものなのかもなあとこの映画を見て思いました。現実と無関係の、息抜きになるもの。
映画は純愛もので美しかったけど、やっぱり寂しい思いをさせられた途中の恋人たちが可哀想すぎて、主人公だけに感情移入できなかったです。
いや、どんなに辛い思いをさせられても、好きな人を思い続けたっていう意味では、皆同じなんだろうか…難しい…。
おしまい。