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本『福岡市を経営する』-企業と政治の共通項

現役の福岡市長が書いた本。

大学生の頃、4年間福岡市に住んでいましたが、こんな人が市長なんて全然知らなかった。政治に興味なさ過ぎるのを反省。

 

 

○内容

 

まず市長になってからの実績。

・スタートアップ、日本一の開業率

・人口増加率日本一

・地価上昇率が東京大阪の倍

博多駅前陥没を1週間で復旧

・屋台存続

 

めっちゃすごい。しかしこの多くの実績があるにも関わらず、「日本一で喜んでいてはいけない」と書いてありました。熱いな〜!

またこの実績も、結果を数字で示さなければ人がついてこないと考え、がむしゃらにやったからこそ積み上がってきたものだそうです。若いリーダーだからダメ、なんて言わせないという強い意志があるからこそ。

 

市は大きな規模で、その地域のビジネスを育てることができます。福岡市は国家戦略特区なので、国の規制が緩和されており、よりチャレンジングなことができます。著者は市として企業の活動を応援しています。

企業が新しい活動をすると、社会に受け入れられるための法整備、規制緩和が必ず問題になります。(例えば自動運転やドローン。)

また、市は税金を使わずとも、規制緩和で地域を動かすことはできます。(例えば数十年前に作られたビルの高さ規制を、今に合わせて緩和する。→高いビルを建てられることで、新しい施設ができたり、既存ビルを一新できる。)

 

 

以下、名言みたいなのをパラパラとメモ。要約しています。人を引っ張る立場にあるからか、そりゃ政治家はスピーチがうまいものか?良い言葉がたくさんありました。

 

「チャンスが来た時こそベストタイミングであり、いつか区切りがついた時にと考えていてはチャンスを逃す。」

 

「全員の満足ではなく、全体をよくする。平等ではなくて、公平になるように。」

 

「やっていることをブラックボックス化しない、見えるようにすることで納得してもらえる。リーダーにはその発信力が望まれている。」

 

「市がやりたいこと、ではなく、市民が求めていること、の形に変換して発信する。」

 

「これからの時代は大変、なんていうのは簡単で、これからを良くしていこう。という前向きさが、市民の幸福度を高めると思う。」

 

「批判よりも提案を、思想から行動へ」

批評家にはなにも変えられないという話。政治の世界に限らないことですね。これは耳の痛いやつ。

 

「彼を知り己をしれば百戦殆うからず。」

なんでもかんでも手を出して、中途半端にしても負けるだけ。自分の組織がどこまでやれるか把握しておくこと。

 

「自分たちの未来を自分たちの意思でコントロールできると言うのは、思い上がりである」

これはイスラム教の思想だそうです。自分の命は、神が望むように導かれるもの。著者はもともと国政に関わりたいと考えていたのに、市長になったのは、地域のリーダーという形で国に関わるよう導かれたのだと思っているそう。

 

スピリチュアルなの嫌いじゃないです。

 

 

 

○感想

 

熱いし勢いがあるし、実績に感情を乗せながら書いてあって、どんどん読めました。地元のことだからなおさら。

政治家と企業のマネージャーには共通する点が多いですが、政治家にしかできないアプローチというのも少なからずあり、その規模の大きさにワクワクしました。

 

また、今現在の取り組みとして、九州大学箱崎キャンパスの跡地を、超スマートシティとして活用しようとしているそうです。なにも知らなかった。。。

ただ、学生として通っていた当時、建物をバンバン壊しているのを見て、多少文化財として残さないでいいんかね…と切なくなっていました。今更ながら調べてみたら、結構面白い。そりゃみんな考えるよね。

 

地元のことを考えるの大事ですよね。ぼちぼち情報拾ってこう。

 

おしまい

 

 

福岡市を経営する

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