みたら書く

本や映画の感想を書きます

本『ストーリーとしての競争戦略-優れた戦略の条件』-戦略的なキャリア

年末年始休暇のセルフ課題図書2冊目です。

面白かった!最初は重めかと思ったけれど、読み進めるうちにどんどんのめり込んでしまいました。たくさんの企業のストーリーが載っています。

 

 

◎年末年始の課題図書◎

①12/30

『僕は君たちに武器を配りたい(エッセンシャル版)』

 

②12/31-1/2

『ストーリーとしての競争戦略』

本当は昨日までと決めていたのに、期限守れなかった…。

 

③1/3-1/4

『株の学校 超入門』

 

④1/5-

『マチネの終わりに』

 

○内容

 

ボリューミーだったので、目次だけメモ。

あとは興味を持てたところだけ深掘りしています。

 

〈目次〉

1.戦略は「ストーリー」

2.競争戦略の基本論理

3.静止画から動画へ

4.始まりはコンセプト

5.「キラーパス」を組み込む

6.戦略ストーリーを読解する

7.戦略ストーリーの「骨法一〇カ条」

 

〈メモ〉

・競争戦略の階層

差別化が難しい順に並べると、

①外部の追い風:競合にも平等に吹く。

②業界の競争構造:そもそも儲けやすい業界か?

この①②は自力で変えることが難しい。

③OCとSP:下記参照。これ以下が競争戦略と呼べる。

④戦略ストーリー:個別の要素を絡め、マネをしづらくする戦略のキモ。

⑤クリティカル・コア:あるストーリー上でないければ「一見して非合理」に見えるキラーパス

 

SP=strategic positioning.ポジショニングの戦略。トップダウン・分業・欧米的。何を捨てるか、何を得たいか。

OP=organizational capability.組織能力に注目した戦略。ボトムアップ・統括・日本的。時間依存的で暗黙性がある。

 

 

・ストーリーの大切さ

他社が自らの戦略を真似してきても、その動機まで理解し真似することはないので、競争戦略上優位に立てる。動機のない戦略とは、目的のない仕事と同じ。

さらにストーリーを考える前に決める「コンセプト」は非常に重い、だからこそ突き詰めなければいけない。誰がなぜ買うのか、顧客側のストーリーまで考える。ただしコンセプトを決める際に、営業やユーザーの声を聞いてしまうと、目の前の今、顧客が想像できる延長のものしか掴めない。結局は自分の中にある。

息の長いストーリー(10〜20年)を目指すのであれば、顧客の本性を捉えることが大切。市場も技術も変化し続けるから、一貫しているものを掴まなければ潰れてしまう。外部環境はストーリーにとっては単なる構成要素の一つである。外的機会よりも、自社の目指すところを明確にすること。流行りモノはツールとして取り入れること。既存のオペレーションとのフィットではなく、あくまでもストーリーにフィットするものを採用する。

 

 

 

・クリティカル・コア

全体にとって合理的であり、局所的に見ると非合理な戦略が取れると、他者に真似されない、追随されない。賢者の盲点をつこう。先見の明ではない。今そこにある価値を捉える。「自らのストーリーにとっては合理的」の状態に価値がある。ただし当人にとっても論理的な確信が持てなければ、勇気がなければ挑戦できない。

 

 

・その他

情報をインプットするほど常識が強化され、本当は非合理な常識を、合理的なものと勘違いしたままになってしまう。まずは自分の頭で考え、自分の言葉でストーリーを書いてみよう。戦略語りが面白いリーダーがいい。

 

 

 

○感想

 

年末年始課題図書①『僕は君たちに武器を配りたい』に出てきた、「差異化が重要であり、そのキモはストーリー性にある」という話と重なっていました。複数の本で情報を得ようとすると、理解が深くなってよい。

 

本書は企業の競争戦略について書いてあるのですが、個人にも転用できる技術が多くありました。自分自身をブランディングするなんていいますが、これは戦略的にやらなきゃいけない。自分の戦う土俵を、競合がどこにいるのかを把握しておく必要があり、これがSPの戦略ですね。きっと私の身近な人の多くは、これを就活の時にしているはず。ただし自分で100%環境を選べることは少ないので(いわゆる配属ガチャ)、最終的には決められたところでどう戦っていくかを考えなければならず、そこからはOCの戦略となっていくと言えます。

 

私はたまたま自分が戦いたいと思う場所に立てました。しかしそこでうまく伸びきれていません。同じような経験をしていても、そこから学べるものは人それぞれの姿勢によるもの。私の姿勢はちょっと緩かったなと反省しています。手先で誤魔化せていたら良い方で、人に頼ってやり過ごしています。

今回の本とリンクさせると、この緩くなっている状況というのは、どういう方向に進みたいか、そこへどうやって進んでいくかというストーリーが決まっていないからではないかと思いました。(本の中では目的はなく目標だけある組織は潰れる、と書かれていました。)

人生の目的というと難しすぎてめまいがしますが、せめてキャリア形成する上での目的を考えておく方がいいに決まっています。取りに行く情報の取捨選択できるようになるし、長期的に言語化できないオリジナルのスキルが積み上がっていく、ような気がする。学歴や資格みたいな単純なものではなくて。

目的が定まれば、戦略も決めていけるはずです。

 

 

最近勉強しなきゃと焦って本を読み漁っていますが、目的のない今、それは点を増やしているだけと感じています。それらを全部ひっくるめて使えるようにならないと、なんの武器にもならないと思うし、日々取り組んでいる仕事にも役立てることはできません。

流行りのビジネス本を読むことで、それっぽい言葉を並べて「わかってる風」になる気持ち良さで、何もわかっていない現状から目を逸らしていることは自覚しています。

それでもやっぱり、情報を得ようとすることは可能性を広げることになると思うから、私は勉強し続けたい。

キャリア形成の目的や目標が明確でなくとも、むしろやりたいことを明確にするために勉強して視野を広げる必要があると思います。もちろん経験しなければ身につかないことは多い。失敗からしか学べないなんていいますね。ただ漫然と失敗しても、学べるものは少ないのです。これはこちらの記事で書きました。

 

 

自分自身のキャリアについて、この本の競争戦略の考え方を使って深掘りしましたが、本当は自分の勤め先について考えたかったです。経営側ではないけれど、いつかそこに行きたいと思っているので。それはまた明日以降、追記していくことにします。

 

 

とりあえず、おしまい