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本『僕は君たちに武器を配りたい(エッセンシャル版)』-投資家目線で人生を考える

年末年始休暇のセルフ課題図書1冊目です。

 

◎年末年始の課題図書◎

 

①12/30

『僕は君たちに武器を配りたい(エッセンシャル版)』

 

②12/31-1/2

『ストーリーとしての競争戦略』

 

③1/3-1/4

『株の学校 超入門』

 

④1/5-

『マチネの終わりに』(これはゆっくり読みたいので、期限は決めません。)

 

達成できるかな〜。

 

 

 

○内容

 

投資家目線を持て。というのが一貫したメッセージでした。

「ブームに乗ると死ぬ」というのが、投資の鉄則です。このルールはお金を動かすことだけでなく、自分自身の身の振り方や、仕事選びでも使えます。

 

以下は抜粋・要約です。

 

①導入

最初の章で、「投資の本といえば、『金持ち父さん貧乏父さん』が思い浮かびますね。」とありました。最近読んだので嬉しい。けれどそれに続けて、「実践した人の話をいまだ聞いてない」とのこと。たしかに。

ビジネス書を読んでも、なにも行動に移さない人がほとんどだとよく言われますが、本当にその通りですよね。特にメンタル・心構え系は読んで満足しておしまい、となる場合がほとんどなので、時間がもったいないし読むのを控えるようにします。

関連:『金持ち父さん貧乏父さん』の感想。

土地を買ったり売ったりするレベルの実践はしていないものの、投資の勉強を始めるキッカケにできたのでよし。

 

 

②自分自身の市場価値

勉強すればいいと安易に考えないこと。不安解消マーケティングのカモになっているだけかもしれません。

 

③資本主義を理解する

資本主義は「略奪」「交易」「生産性革命」とモデルチェンジしてきました。そしてこれからの時代は「差異」へ変わっていきます。

 

まず「略奪」とは、奴隷を連れてきて必要なところに売る等のビジネス。

次に「交易」とは、ある地域で大量に手に入るものを、それがない場所は売るビジネス。

「生産性革命」とは、技術革新が進み、どこでもなんでも安く作られ、売られるビジネス。

そして「差異」。売る商品そのものでは差異を作りにくくなっているため、それに付随させるストーリーにより新たな価値を持たせるというビジネスです。例えばユニクロの商品は超コモディティですが、ブランドイメージを「合理的で効率的」として差異化することで会社を発展させました。

 

 

④自分自身の市場価値(続き)

全産業がコモディティ化し、高学歴や専門資格を持っていることの価値は落ちています。ではどうすればよいか?スペシャリティになりましょう。ただの「専門家」はスペシャリティではありません。

 

資本主義の中で、コモディティ化せず主体的に稼ぐ近道は、以下のタイプになることです。もちろん1人で複数の要素を持つことが理想です。

 

⑴マーケター。商品に付加価値をつけ、市場に合わせて売る。

⑵イノベーター。新しい仕組みを作る。

⑶リーダー。起業家、マネージャー。

⑷インベスター。投資家。

 

今までは稼げたけれど、今後潰れるタイプ。

・トレーダー。商品を運んで売る。商社や代理店。

・エキスパート。専門性の高い仕事をする。

 

それぞれの詳細は以下の通り。

 

⑴マーケター

マーケティングではブランドの地位を固めるために信者を集めます。その信者の中で思考停止している人は、どんどんお金をつぎ込んでくれます。

この手法は昔から金融業界で使われています。ホールセール(機関投資家・企業相手の大口取引)がうまくいかなくなった会社はリテールに進出するそう。個人向け商品というのは、プロが買わないような商品ということ。そんな商品に対して、思考停止しお金を使うというのはすべきではありません。この辺りを意識して金融商品を選べるようになると良い。

 

⑵イノベーター

仮想敵を作って新たな仕事を作るのが良い。例えば自分が所属する会社が弱っていると思うなら、むしろ知り尽くしましょう。そしてそこを出て、古巣を仮想敵として、そこを潰すほどの会社を起こせば良いのです。

 

⑶リーダー

ゴロツキを統率することができるか?

自分ができないならば、そのサポーターになりましょう。

 

⑷インベスター(投資家)

投機はゼロサム、損する人がどこかにいます。

投資はうまくいけばみんな得するものです。

そして株式会社というのは株主のもの、つまり資本家のものです。我々は資本家になるか資本家の下で働くかのどちらかしか選べません。

 

また、住宅ローンは数千万の借金をするというハイリスクな選択です。これも思考停止して安易に組むべきではありません。さらに投資家的な観点からすると、一生サラリーマンというのも同じくらいハイリスクな選択となります。自分で決定権がなく、いつ破綻するかわからないからです。

 

⑤サラリーマンの場合どうしたらよいか

これからサラリーマンとして働いていくならば、業績連動型のポジションを得ることが、投資家的に生きることと言えます。「この会社は伸びる」と見込んでも、固定給ではリスクをとる意味がありません。

私自身はボーナスが少しだけ業績に連動するという状態ですが、ほとんどは時間給です。それでは思考停止しやすくなるのも当然、かも。(もちろんこれは甘えです。)

 

 

○感想

 

企業名を出して、具体的なエピソードを多く盛り込んだ本だったので、読みやすかったです。

 

最近は労働階級から抜け出したいな、資本家・投資家になりたいなとぼんやり妄想しています。現実的にどうしたらなれるのか、本当になれるのか?全然わからないので今はとにかく情報を集めています。何も知らないと目指すことすらできないので…。

サラリーマンをしている自分は、まずは自分の勤め先のことを理解できるといいのではないかと考えました。労働者から一足飛びに資本家・投資家にはなれません。その間には経営者がいると考えると、そこを理解することで上位にいる株主(=投資家)を理解することに繋げられる、段階的な理解ができるかもしれないと思いました。

また、自社のことであれば具体的に考えやすいし、自分ごととして捉えやすい。そして管理職という「経営側の立場」の人から、直接話を聞くこともできます。幸い聞けば教えてくれる人がいるし、管理職ともなれば私が知りたいレベルのことはわかっている(人が多いと信じたい)ため、話が早いのです。自分一人で本を読んだり考えたりしているだけでは、現実味のない理屈しかわからない気がします。

そして半期に一度、管理職から業績について説明があります。その内容を未だ理解しできていません。しかしその説明のタイミングは、私が知りたいと思っていることについて、堂々と聞けるチャンスなのだと気付きました。今までぼんやり聞いちゃってた。

自分の会社のことであり、理屈ではなくリアルに起こっていることであり、半期に一度というモチベーションを保つにはちょうど良い間隔で、株式会社の経営状況を聞ける。これは経営者、ひいては投資家目線を手に入れるための一つの手段として活かすほかありません。

まずは直近の年度末、業績説明の資料を読みこむこと、そして必ずわからないことがあるはずなので、管理職に直接聞くことを課題にしてみます。

 

 

 

また、会社の中で新しいことをやる場所に行きたいなと思いました。長くやっている仕事にも当然価値があります。しかしそれはもう世に出て、自分たちだけの技術ではありません。つまりコモディティ化が進んでいるということ。それを生業にしていくのは不安だし、これからを作れる仕事をしたいなと思いました。

 

 

それから不安解消マーケティングのカモはまさに自分のことで、目的を持って勉強しようと反省しました。

なにかやらなきゃという焦りや不安、現状への不満を解消する策として、なんとなく手当たり次第に本を読んでいる最近です。ブームになっている本を読むことが多く、完全に思考停止している。自分が欲しい情報は何か、目的を考えてから本を選ぼうと思います。「みんなが読んでいる本」でも、私にとっては価値がありません。自分のために本を読み、自分自身の行動に繋げるのが理想です。キーワードは自分ごと化。これは知人の言葉を真似しました。

 

 

○おまけ

『40代、50代の役職者が大量にいる会社は危険だ。』と書いてありました。あれ〜弊社じゃん〜。

 

 

おしまい

 

 

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)

僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)