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映画『ペンタゴン・ペーパーズ』-自分の意思を持てるように

映画『JFK』に続けて観ました。

登場人物たちの愛国心や社長の逞しさ、誇り高くあれという姿勢がかっこいい。

 

◯あらすじ

 

ベトナム戦争が泥沼化していた1971年、新聞社が国防省の最高機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を手にいれ、民衆へ事実を明らかにします。

先にニューヨーク・タイムズが記事を掲載しますが、政府から差し止め要求を受けてしまいます。ライバル紙であるワシントン・ポストも、なんとか文書を手に入れますが、上場したてのタイミングであり、投資家から反感を買うような記事を掲載することを役員たちは渋ります。

女社長のキャサリンは、会社の存続に関わる大きな選択を迫られます。

 

◯感想

 

なんでこんなに、皆当事者意識が強いんでしょうか。誇り高くてすてき。

自分の国を信じること。国に裏切られたら立ち向かい、声を上げること。登場人物は皆それぞれが行動しなければならないという自覚を持っています。

私は国について、政治について向き合って考えたことがありません。そうせずに済んでいることは、この国が平和であるということで、幸せなのだと思います。

しかし本当にそうなのでしょうか。

見て見ぬ振りをしているだけ、ぼんやりして気付かずにいるだけなのかもしれない。

そもそも政治のことも、世の中のこともよくわかっていないので、中学公民を勉強し直そうと思っています。恥ずかしいけれど、知ったかぶりする恥ずかしさの方が勝つので…。

 

それから主演のメリル・ストリープが素敵。プラダを着た悪魔の印象が強く、かっこいい強い女性のイメージだったのですが、今回は真逆。新聞社の社長を演じます。映画前半では、なんとなく頼りなさげなキャラクター。

昔は専業主婦をしていて働いたこともなかった彼女なのですが、今は前社長である夫の死により、新聞社の経営権を引き継いでいます。人前で強く発言できず、どもりながら話したり、役員に代弁してもらったりとあまり社長らしくない。

そんな彼女が政府の最高機密を自社の記事にするかどうか、決断を迫られます。同業であるニューヨーク・タイムズは、政府から掲載差し止めを受けています。差し止めされた記事と同様の、かつもっと政府の弱みが暴露される記事を掲載するということは、会社が政府から潰される可能性があるほどのインパクトがあります。また上場したてで、投資家たちが離れていく可能性があります。

役員は止めろという、けれど記者は掲載しろという。彼女の友人に政治家がいて、記事を乗せることはその友人を追い詰めることになる。しかし政府から報道の自由を奪われて、泣き寝入りしていては、新聞社としての誇りを失う。

葛藤しながら決意を固めていく彼女はとても素敵でした。

 

おしまい。

 

 

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(吹替版)

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(吹替版)

  • 発売日: 2018/08/22
  • メディア: Prime Video
 

 

 

関連:映画『JFK