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映画『JFK』-自国を誇る気持ちが欲しい

歴史に詳しくなくても楽しめました。

CIAとかFBIとかかっこいいよねえ。

 

◯あらすじ

 

今なお謎の残るジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件に、地方検事ジム・ギャリソンが挑むというストーリーです。ジム・ギャリソンの著書をベースにして、フィクションを交えた作品になっています。

 

ダラス市内をパレード中、ケネディ大統領は銃撃され死亡します。事件発生から1時間後、オズワルドという人物が逮捕されます。しかし二日後、オズワルドはジャックルビーという男に殺害されます。翌年、調査委員会はオズワルドの単独犯行と結論付けますが、様々な疑惑が残ります。(厳重に警備されているはずのパレードで事件が起きたこと、犯人とされる人物がすぐに殺害されたこと、暗殺の動機が解明されないまま捜査が終えられたこと等)

 

知事のギャリソンは、この暗殺は国家レベルで仕組まれたものと考えますが、メディアも民衆も信じてくれません。ギャリソンは部下達と捜査をしますが難航し、遂にはチームから抜ける者も出てきます。また、事件の関係者であり、ギャリソンの証人になり得る人物達が、次々と不審な死を遂げます。

そんな中戦い続け、事件に関係する唯一の訴訟、クレイ・ショー裁判を起こします。

 

事件は1963年、この映画が公開されたのは1992年です。

 

 

 

◯感想

 

自分の国に誇りを持って生きたいという、ジム・ギャリソンがかっこよかったです。

 

彼は事件に没頭するあまり、家に帰って来なかったり、帰ってきてもずっと事件のことばかり話したりと家庭をないがしろにします。それに対して妻は呆れ、子供は悲しみます。家庭を顧みず、世間からは非難される夫のことを、妻は信じられなくなります。

 

夫婦喧嘩のシーンで、妻は言います。

「私は普通に暮らしたいの。」

しかしギャリソンは反論します。

「僕だってそうさ、でもこんな国で育つ子供たちが気の毒だ。これで怒らなきゃ、君はバカだよ。誰かがやらなきゃ。」

 

事なかれ主義の私は、妻のような考えをしてしまいます。しかし普通の暮らしというのは、彼のように戦わなければ失われていくものです。

民主主義のアメリカや、この日本でも、国のトップは我々国民が選ぶことができます。しかしその選んだトップが殺されたら?

ギャリソンは一部の政治家や実業家が得をするために、ケネディ大統領が殺されたと考えています。ケネディベトナム戦争から撤退することを決めたため、軍事に関わる政治家の反感を買ったということです。暗殺事件後、大統領になるリンドン・ジョンソンは、ベトナム戦争への介入を進めています。このことにより多くの死傷者を出しましたが、戦争景気という言葉がある通り、一部の戦争に関わる物資を供給する会社には利益がでています。

この事件の陰謀を知る者は殺されていく。権力により民衆は抑圧され、その真相を知ることもできない。自分達で大統領を選ぶこともできない。これはファシズムです。目先の自分の生活だけを見ていれば、日常をなんとなく平和に、楽にいきていくことはできると思うかもしれません。しかし先人が戦い、勝ち取ってきたこの平和を、子供達にも受け継いでいくには、それが侵害されない努力をすべきでしょう。

 

 

少し引用。

 

I think that most of us in this courtroom thought justice came into being automatically, that virtue was its own reward, that, that good would triumphs over evil. But as we get older, we know this just isn’t true. Individual human beings have to create justice, and this is not easy.

 

"ask not what your country can do for you, but what you can do for your country.”

 

 

JFK (字幕版)

JFK (字幕版)

  • メディア: Prime Video
 

 



 

◯関連

 

ケネディ大統領は人種差別と戦いました。

以下の作品には、差別される側から見たケネディ大統領が描かれています。

 

大統領の執事の涙(吹替版)

大統領の執事の涙(吹替版)

  • メディア: Prime Video
 

 

プレシャス(字幕版)

プレシャス(字幕版)

  • 発売日: 2015/11/15
  • メディア: Prime Video