本『死に至る病 あなたを蝕む愛着障害の脅威』-幸せを感じる力
◯要約
・幸せと感じるのは以下の3つの時だけ
1.生理的欲求が満たされた時。エストロゲンが出る。
2.目標が達成された時。もしくはアルコール等依存しているものを摂取した時。ドーパミンが出る。
3.ありのままを受け入れられた時。オキシトシンが出る。
3が不足する=愛着障害であり、1と2に逃げてしまうことになる。
1は過食やセックス依存症。
2はアルコールや薬物への依存。
愛着障害の人が、依存症を克服したのちに自殺してしまうことがあるが、これは1〜3すべてを奪われた結果である。筆者が愛着障害を「死に至る病」と表現するのはこのような理由からである。
・オキシトシンが多く出る、かつオキシトシンの受動体が多いと、自己肯定感が高い状態になる。オキシトシンの受動体の量は遺伝性があるが、後天的に変わることがある。幼少期にほとんど決まってしまい、その後は変えることが難しい。
・オキシトシン受動体が少ないことは、うつやパーソナリティ障害という形で表面化する。これらの本質にあるのは愛着障害である。
また、オキシトシンの量が少ないと、免疫力は低下する。
・愛着障害により、精神的な病気と闘いながら生活を送る、職を転々とする、依存症になる、子供を虐待する、突然自殺する等の行動が起こる。
・人に期待せず自分自身も大切にしないタイプ、過剰に人に依存するタイプはどちらも愛着障害と呼べる。
・受動体の量が変わる原因は虐待やネグレクトだけではない。本来子供はその存在そのものを、ありのままを受け入れられるべきである。しかし良い成績をとる・親の理想の進路を選ぶ等の「親が示す目標の達成」を評価された場合、受動体の量は減ってしまう。親も愛することでオキシトシンを出し幸せを感じることはできず、ドーパミンによる充足が得ている。
これは親自身がオキシトシンによる幸福を得にくく(受動体が少ない)がために起こる。子供を愛しても幸せと感じられないのである。子供に自分の目標を達成させることで、ドーパミンを出している。
そのように育てられた子供はオキシトシン受動体が少なくなり、彼らが親になった時、また同様の子育てをしてしまうことになる。
◯感想
自己肯定感は、大人になってからでは高めにくいことがわかり、絶望してしまいました。
おしまい
◯関係する本
シャーデンフロイデについての本を少し前に読みました。
人を邪魔するとオキシトシンがでるとか。
シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感 (幻冬舎新書)
自信をつけるのにも、ホルモンが関係しますね。