みたら書く

本や映画の感想を書きます

スペインとフランス革命を知る-映画『宮廷画家ゴヤは見た(Goya's Ghosts)』

 

 

 

芸術に疎いので勉強。

 

 

ゴヤって誰?

フランシスコ・デ・ゴヤ。スペイン最大の画家と言われています。18世紀末、宮廷画家としてカルロス4世に仕えました。大聖堂の天井装飾をしたり、風刺画を書いたり。

フランシスコ・デ・ゴヤ - Wikipedia

 

 

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『カルロス4世の家族』

 

左上奥がゴヤ

 

 

 

◯監督

 

ミロシュ・フォアマン(1932−2018)

 

カッコーの巣の上で』『アマデウス』の2作品でアカデミー賞を受賞しています。プロテスタントの義父母に育てられたけれど、実の両親はユダヤ人で、ともにナチスの収容所で死亡しているという複雑な生い立ちを持ちます。

 

 

 

◯内容

 

18世紀末、スペイン最高の画家ゴヤ

その風刺画は聖職者を批判するものもあり、教会から非難されていました。かつてゴヤは教会の天井画を書いていましたが、天使の絵のモデルが売春婦ということも発覚、そのことも批判されています。

 

その彼から見た当時のスペインを描いています。ゴヤ自身も登場します。

 

 

当時カトリック教会の支配力は強く、異端者を殺すべきという「異端審問」が行われていました。その対象は過激で、科学者も異端者と思えと言います。(神を否定するものはすべて対象者としてたのだと思います。)

 

物語はロレンソ神父という下衆な男と、若く美しい商人の娘・イネス(ナタリーポートマンの演技がすごい!)を中心に進み、ゴヤから見た当時のスペインの様子が描かれています。

 

ある時豚肉を食べなかったことからユダヤ教徒だと誤解されたイネスは、異端審判に呼ばれます。(この異端審判の拷問シーンが見ていられないほどキツい。)そして投獄され、家族に会えなくなり弱ったところに、ロレンソ神父が訪れます。同情し共に祈ろうと寄り添い、イネスの気持ちを惹きつけます。頼るところないイネスは、神父に好意を抱いてしまい、獄中で神父と関係を持ち娘を授かります。

 

しかしこの投獄自体、ロレンソ神父の仕組んだことでした。若く美しいイネスに近づくために、教会の力を利用し彼女を裁判にかけたのです。

 

イネスの家族は、ロレンソ神父を怪しみ国王に直訴します。結果ロレンソはスペインを追われフランスに逃げることとなりました。

 

 

その後に隣国フランスにて、革命が起こります。それはスペインにも影響していきます。

当時スペイン国王はフランス人、女王はイタリア人ということもあり、市民が反逆を起こすのです。

 

市民はフランス革命の思想、自由・平等・友愛を伝えるために戦うのですが、その思想を貫くために、否定するものは断罪する、神父まで投獄するという過激な戦争が起こります。

 

このフランス革命の影響を受け、カトリック教会は権力を失います。異端者審問にかけられ、投獄されていたイネスも解放されました。そしてイネスはロレンソ神父と、彼との娘を探します。しかし結局イネスは娘に出会うことはできませんでした。

 

スペインの混乱は続き、再びカトリック教会が権力を持ち直した頃、ロレンソ神父は反逆の罪により、王の前で公開処刑されます。

 

 

この一連の出来事を、ゴヤの目を通して描いた作品です。

 

実際ゴヤは宮廷画家として、覇権がどんどんと変わるスペインの様子を見て来ていますし、人々が思想のために戦う様子を描いています。

 

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マドリード、1808年5月3日』

  

 

 

◯感想

 

 

拷問が辛くて、見ていられませんでした。なんか昔魔女展行ったなーと思い出したり。拷問道具もえぐいんよなあ。。。

ただ、調べていくとこの異端審問は魔女を対象外としていたそうで(精神病として扱っていた)、それはなぜかとまた興味が湧いてきて、Wikipediaサーフィンしてしまいました。おもしろい。

 

***

なお、魔女狩り異端審問の形式を一部借用しているが、その性格(異端はキリスト教徒でありながら、誤っているとされた信仰を持っている者であるのに対し、魔女・魔術師(魔法使い)はそもそもキリストを信じないとされる人々であるため全く別種)や実施された地域・時代が異なっているため、異端審問とは別種のものと考えるのが適切である。(引用元:

異端審問 - Wikipedia )

***

 

 

宗教!とか、ある国の歴史!とか、大き過ぎる枠組みで勉強しようとしていたけれど、こういう細かく深く見て行く方が面白そうなのに気づきました。

 

 

昔行った魔女展。↓

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(2016年!もうそんな昔なのか…)

 

 

映画を見たけど、より細かく知りたいと思って本でもフォロー中。彼の版画に「私は見た」と詩書がみられるそうで、これがタイトルになってるんだな〜とまた面白く感じたり。

 

 

 

 

 

○やること

 

フランス革命が周囲の国や人々の暮らしにどんな影響を与えたのか、いま並行して読んでいる世界史の本で、体系的に整理します。

 

 

 

おしまい。

 

 

宮廷画家ゴヤは見た (字幕版)

宮廷画家ゴヤは見た (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

本『鉄の骨』−正しさとは何か?談合は必要か?

 

ZOOM朝活でお勧めされた本、その1。

 

(在宅勤務が続いているけれど、朝ダラダラしちゃってたところ、知人に誘われ先週からZOOM朝活に参加しています。オンラインだと気楽で良いですね。)

 

私の勤め先も、過去談合で刑事告発されており興味がありました。

 

それから気になったのは、働き始めて4年目、違う会社に勤める友達と考え方がずれていくことが描かれてるという紹介をされたので、ちょうどいいなあと思い。就活の時すでに感じてたけれど、働きだすとなおさらですね。

 

 

○著者

池井戸 潤

 

岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。
「果つる底なき」(講談社文庫)で江戸川乱歩賞、「鉄の骨」(講談社文庫)で吉川英治文学新人賞、「下町ロケット」(小学館文庫)で直木賞を受賞。
他の作品に、『半沢直樹』シリーズ①「オレたちバブル入行組」、②「オレたち花のバブル組」、③「ロスジェネの逆襲」(すべて文春文庫)、④「銀翼のイカロス」(ダイヤモンド社)、『花咲舞が黙ってない』原作本「不祥事」、「空飛ぶタイヤ」(それぞれ講談社文庫/実業之日本社文庫)、「ルーズヴェルト・ゲーム」(講談社文庫)、「民王」(文春文庫)、「下町ロケット2 ガウディ計画」(小学館)、「七つの会議」(集英社文庫)、「なるへそ」(Kindle Singles)などがある。
7月8日発売予定の「陸王」(集英社)が最新刊となる。

 

(Amazon.co.jpより引用)

 

 

○内容

 

中堅ゼネコンで働く、4年目社員の富島平太。

3年間現場監督として働いていたが、突然談合課と呼ばれる部署への異動が命じられる。なぜ自分がそこで働くことになったのか、そしてなぜ会社が談合を続けているのかわからないまま働き始める。

銀行勤めの同級生、野村萌とは学生時代からの付き合いである。社会人になってから恋人になり4年、遠慮もなく安心感のある関係になっていた。

しかしそれぞれ仕事を経験していくうちに、考え方にズレが生まれていた。平太が談合に関わっていることを知ると、萌は“銀行的な”批判をする。平太自身も間違っているのではないかと葛藤しているが、仕事を進めていくうちに、談合が必要悪である、そして会社にいる自分にはそれを受け入れることしかできないと悩むようになる。

 

二千億円近くになる公共工事の地下鉄敷設計画の入札に向けて、なぜか若い平太が前線に立たされ、他社と交渉していく。

 

 

ふざけて見えるが仕事のできる先輩・西野や、平太の異動を決めた、読めない常務・尾形、ゼネコン各社の裏の世界、そのトップにいる三橋に、公共工事に関わる情報を流す政治家、そして談合を取り締まる機会を狙う検察。彼女の萌を狙う優秀な銀行マン・園田、病に倒れる母親・・・・

 

多くの登場人物たちの策略や想いが交錯し、最後までどうなるかわからない、ミステリーでした。

 

「談合は必要悪か?」このテーマをリアルに、しかし読みやすく書いた作品です。

 

 

○感想

 

読み始めると止まらないおもしろさで、一気読みしてしまいました!

 

談合は悪、とはいえ仕方ないだろうと、読んでいて少しずつ思ってしまうんです。段々と業界の考え方に染まっていく平太に共感し、葛藤する悪の根源である長老的存在・三橋にも同情してしまったり。

三橋が、悪いことをして利益を得てきた過去と、しがらみから逃れられないことを、単純に自業自得だと見下せないのは、なぜでしょうか。

 

正義を振りかざす恋人・萌の感情の変化も面白い。社会人4年目になり、お酒の趣味は学生の頃のままだったり、仕事を俯瞰して見られていなかったりする(そう思えてしまう)、長く付き合った彼氏が退屈に思えるようになる時、少し年上の、同じ業界にいる先輩男性に憧れてしまうなんて、あるあるすぎる。

すごい人と付き合えるかもという喜びと、しかしすごいのは私ではなく彼なのだという虚しさに、うわ〜リアル〜〜!!ってなりました。それで勘違いしちゃう人いますよね。どんな人と付き合おうと、自分の価値は変わらないのに。

 

検察の調査や最後の結末等、伏線回収も面白く、ミステリーとしてもめちゃ面白かったです!

 

 

 

○やること

 

自分の勤め先の過去ニュースを読む。うちの談合も、仕方ないことだったんだろうか。

 

 

 

おしまい。

 

 

鉄の骨 (講談社文庫)

鉄の骨 (講談社文庫)

  • 作者:池井戸 潤
  • 発売日: 2011/11/15
  • メディア: 文庫
 

 

 

政治献金はこちらの話でも。

 

 

本『生き方』-やっぱり理念が大事

 

京セラ創始者稲盛和夫さんの本。

 

憧れの先輩と採用について話していたときに、「俺は稲盛さんより松下幸之助派だな〜」と言われたものの、どちらもちゃんと知らなくて恥ずかしかったので読みました。

 

 

○著者

稲盛和夫

 

1959年4月、資本金300万円で京都セラミック(株)(現京セラ(株))を設立。素材、半導体、電子部品から完成品、システムに至る幅広い製品群を持つ世界有数の優良企業に育て上げ、現在は名誉会長を務めている。また1984年には電気通信事業の自由化に即応し第二電電(株)を設立。・・・

(引用元)

 

 

 

○内容

 

0.プロローグ

 

人生は魂を磨くための時間。

「才子、才に溺れる」ということわざがあるように(ネットで調べるとヒットしなかったのですが)、才能があっても理念・哲学・理念がなければ失敗してしまうものである。

 

稲盛さんは、「人として正しいことを追求する」という指針があるから成功したと言います。

 

仕事を通して魂を磨く、修行と捉える。知識の使い方を誤まるのは、哲学を見失っているからである。

 

 

1.思いの力

 

欲しがるものにしか手に入れられない。ただし並ではなく狂うほど思うこと。思いがあれば行動に繋がる。(流れ星の理屈と同じですね。流れ星が見えた瞬間お願いできるほど、普段から思っていることなら当然叶うというもの。)

 

思いは強く、計画は慎重に、実行は大胆に。

 

人生は一日の積み重ねだが、才子はなまじ先が見えるが故に最短距離を行こうとして一日を疎かにしがち。結局は創意工夫しながら努力を続けていくことが重要である。継続と反復は異なる。

 

 

2.原理原則

 

判断基準が定まっていたら経営も人生も、長い目で判断することができる。世の風潮に惑わされない。しかし言うは易し、行うは難し。絶えず戒め自省自戒すること。

 

人生の結果=考え方×熱意×能力

(心技体ですね!)

 

燃えるには好きであることが一番。

人間として正しいこと、世のためになることをしたいと考えることは、文化・宗教が違えど普遍的な価値があります。世界共通の判断基準、原理原則といえます。

 

 

3.心を磨く

 

西郷隆盛が「徳高き者には高い位を、功績多き者には報奨を」と言ったように、本来リーダーには徳が高い人を置くべきです。しかし最近はトップの不祥事が多く、これは功績で評価し職位を定めているからでしょう。

 

心を磨くには六つの精進が必要です。

①誰にも負けない努力をする

②謙虚に驕らず

③反省ある日々を

④生きていることに感謝する

⑤善行、利他行を積む

⑥感性的な悩みをしない

 

 

4.利他の心

 

会社に文句があるのは「してもらう」立場だと思っているからだ。「してあげる」側になれば周囲にどう貢献していくか考えられる。

利他的であるためには会社のために働こう、と考えるべきですがしかし、自分の会社「さえ」良ければ、と考えてはまたそれもエゴにすり替わる。

 

40年ごとに日本の歴史を見ると、利己的な日本「さえ」富めば、強くなればと考え失敗してきたことがわかる。

1868年-明治維新、富国強兵を目指す

1905年-日露戦争勝利、軍事大国の道まっしぐら

1945年-第二次世界大戦敗戦、富国を目指し経済成長

1985年-プラザ合意、この頃経済大国としてピーク、崩壊後低迷。

(本には書いてありませんが、2020年コロナショックもこの40年の節目と言えそうです。)

 

このことから、経済成長主義を脱する新たな国の理念が必要といえる。

 

 

5.宇宙の流れと調和する(スピってきた…)

 

運命と因果応報。

 

心の多重構造。

①知性

②感性

③本能

④魂

⑤真我

 

 

 

○感想

 

『ホモデウス』に書いてあったことみたいだと思いました。技術が発展しても、それをどう使うかは宗教(この本の中では考え方のことを宗教という)によるというもの。

今回の本の方が、かなりスピってましたが…。

 

 

 

一貫して自分を磨け、修行しよう、というメッセージを主張していましたね。松下幸之助より宗教的です、でも結局は同じことを伝えているように思いました。

 

働くことで自己実現するというのはマルクス?かな?

 

燃えるためには好きであることが一番、という話が苦しかったです。努力は夢中に勝てないと言いますが、夢中になれるのも才能だと思うんですよね、、稲盛さんに言わせると没頭するまで物事に向き合えていないからなのでしょうが、、、苦しい!

 

 

○やること

しごとをとにかく一生懸命やります。そして倫理観を失わないこと、磨くこと。

 

おしまい。

 

 

生き方

生き方

  • 作者:稲盛和夫
  • 発売日: 2004/07/22
  • メディア: 単行本
 

 

 

イベント『真のリベラルアーツ:今後の日本が生き残るために必要となる教育』ーものごとをコネクションするための鍛錬

 

外出自粛で退屈なゴールデンウィーク中、ネットでうろうろしていて見つけたイベントです。社会人になってからたまに耳にするようになった「リベラルアーツ」。一体なによ、と思いながらも勉強できていなかったので、今回イベントに参加してみました。(オンラインイベントが増えたのは、この外出自粛の状況下、怪我の功名だと思います。)

 

◯登壇者

 

 武内隆明

 

(タイガーモブHPより引用)

 

 1961年生。父の仕事の関係で小学校はフィリピン。中学・高校は東京で、大学はマサチューセッツ州にある、全米屈指のリベラルアーツカレッジであるWilliams Collegeを卒業。その後、野村證券国際調査部、ゴールドマン・サックス・アセットマネジメントなどを経て、チューリッヒ・スカダー・インベストメンツ副社長、プルデンシャル・ファイナンシャル・アドバイザーズ証券の社長を歴任。2003年に独立。東京で投資会社、上海で経営コンサルタント会社を起業。2012年からは教育業界のNPO法人Teach for Japanや、International College of Liberal Arts(iCLA) の立ち上げをサポート。ライフワークとして、アジアの若者へのリベラルアーツ教育に取り組んでいる。他にも日本におけるユニークな高校や大学および金融機関等を特別顧問や客員教授としてお手伝いしている。

 

ものすごく早口でパワフルな方でした。

 

 

 

◯内容

 

リベラルアーツとは

 

ギリシャ・ローマからルネサンスにかけて始まり、17世紀エリート教育に発展。文法学、論理学、修辞学、幾何学、数論、天文学、音楽の7つの学問を扱う。

リベラルアーツ・カレッジは17世紀ごろ作られたものも多く、2000人程度の生徒が在籍する。西海岸に位置するものが多い。卒業生はオバマレーガン孫正義、津田梅子、クラーク博士等日本にゆかりある人もいる。

 

 

 

リベラルアーツの目的

 

人が持てるものには「知識」「知恵」「生まれつきのもの」がある。

「知識」は1万時間程度勉強すればある程度言語習得できるというように、 比較的簡単に身につくもの。しかしある場面でしか使えない。例えば日本語を勉強しても、日本語を話せる人との間でしか使えない。

「生まれつきのもの」これは生理的なもの(性別とか人種とか)や気質で変えにくい。

「知恵」こそがリベラルアーツ。知識と生まれつきのものとの間にあり、知識をいかせるようになる鍛錬のことである。なにかを知っていても、それをうまく活用するためには質の高いOS=人間力?が必要になる。

 

リベラルアーツが目指すもの

「チャレンジ精神、課題発見力、主体性、実行力・継続力、熱意、意欲、柔軟性、ストレスコントロール力、コミュニケーション能力、協調性、倫理的思考力」の向上。

これらの能力・知恵を身につけて活用できるまでになる鍛錬をする必要がある。この意識せずに使えるようになる鍛錬=武道や茶道、花道といった「道」を極めるようなもの。

 

 

リベラルアーツ教育

 

現在のリベラルアーツ教育は「社会科学」「自然科学」「人文芸術」「保健体育」「ワークショップ」のそれぞれを学び、それらをいかに繋げるかをトレーニングするもの。一般的に理系と文系とどっちもやる学部でしょう、と言われるけれど、それは誤解である。

 

上記の能力を身につけた上で、左脳と右脳をコネクションするトレーニングをする。

左脳:「定量推論」論理的、緑線的、構造的、規則性、固定的、講義。

右脳:「人文教養」非論理的、芸術的、非線的、非構造的、起業家的、柔軟、ワークショップ

このコネクションが発揮され、大きな結果を残した例を示す。

アルバート・アインシュタイン:物理学×音楽

相対性理論は直感的方法によって発想された。そして、音楽はこの直感を支える原動力だ。私の新たな発見は音楽的知覚の結果なのだ。」

スティーブ・ジョブス:カリグラフィ×エンジニア

「人は私がクリエイティブだという。もしそうであるとしたら、それは、私がたくさんの「点」を持っていて、どのようにそれらを繋げるのかを知っている、ということだろう。」

本庶佑:医学・生物学×オーケストラ経験

レオナルド・ダ・ヴィンチ:絵画以外の工学や解剖学等多岐にわたる活躍

山中伸弥:医学×スポーツ(ラグビー柔道)

 

異なるテーマが繋がることはあり、例えばダンスと音楽なら親和性が高いが、生物学と音楽がどう繋がるのか。この一見親和性のないところに価値が生まれるようにするのが人であり、発想することは人工知能にとって変わられないはず。その発想する力を引き出さすのがリベラルアーツである。

世界平和へのアプローチにはかつて経済学が強かったけれども、実際は音楽(ジョンレノン・イマジン)や芸術(ピカソゲルニカ)が大衆へ影響したり、生物学的に男女の喧嘩を分析したりとやり方は多い。現在注目されるSDGsについても、環境化学のみならず、東洋哲学からアプローチする方法だってあるのだ。

 

その多角的なアプローチがあることを忘れないようにしなければならない。固定観念に縛られず自由に発想するには、異国の文化に触れたり、たくさんの人の本を読んだり、意識的に視点を広げることが重要。

 

例えば、以下の文字を読めるか。

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(出典:読める?読めない?「幻視」を防ぐ「白地文字」読みに挑戦!/脳トレ | 毎日が発見ネット

 

 

 

・グローバル競争への心構えと

中国深センの発展。中国のシリコンバレーと言われるITの聖地であり、20、30代が6割、起業数世界一、街全体がキャッシュレス社会で、社会インフラのIT化も進んでいる。

そんな背景がある年都市では、企業が「多産多死」。人口が多い分チャレンジする人が多く、ハングリーさがある。そのハングリーさは自信・自己肯定感の高さにより支えられている。(これは日本人の弱いところ。出る杭は打たれる、自信を潰そうとしてくる文化。完璧主義でチャレンジしにくい環境。)そんな状況下であるのに、危機感どころか中途半端な知的優越感を感じている。

 

こちらの本でも扱われてましたね。

 

途中でジョークが。日本のPDCAは「Plan,Delay,Cancel,Apologize.」

 

投資家的な目線で見ると日本は着実に人口減少するし(世界各国と比べでダントツ。世界全体は2060年までに人口が30%以上増加するのに、日本は30%以上。)、そうなるとマーケットが縮小、チャレンジする人が減り、スピードが遅くなる。GDPは中国・インドがブチ抜いて足元にも及ばなくなる。

PwC、調査レポート「2050年の世界」を発表し、主要国のGDPを予測‐2020年以降、中国の成長は大幅に鈍化するものの、世界の経済力の新興国へのシフトは止まらず | PwC Japanグループ

 

 

 

・その他質疑、雑談

八ヶ岳連峰作戦:8割の出来のものをたくさん持つ。一つのことで百万分の1は目ざしにくい。技術革新はもっとスピードをあげて進む。

インフィニティ国際学院おすすめ。高校性に海外で修羅馬をくぐらせる。

もちろん読書と旅行でも異文化経験はできるけれど、その旅行先のことを勉強してから行った方がいい(世界の歩き方2、3回読んでから行くらしい)。

おすすめの本「ライカでグッドバイ」「コロナショック・サバイバル」「貞観政要(中国古典の教訓)」

芸術・いま流行のテーマ・昔から言われている古典のような本というのをバランスよく読むのがいい。

メンターはひとだけじゃない。本や映画もある。相談に乗ってもらわなくても、あのひとならどう考えるかなと考える人がいたらいい。

コロナでも震災でも新しい課題がドンドン出てくる。リベラルアーツで自分の頭で考える力をつけよう。「(出来ごとの)新しさの本質を洞察して、歴史的な法則を当てはめて、想像力を使って前進する。」

社長になれば自由だと思っていたけれど、自由さやリーダーの意味って国によって違うことがわかった。例えば日本はアメリカ的なのでひっぱって行く人、ドイツでは独裁者のような危険なイメージがあったり。いいビジネスマンはいいリスナー。

 

 

 

◯感想

 

なんとなく教養って大事だよな、リベラルアーツってそういうやつだよな・・・と思っていたのですが、セミナーを聞いて誤解していたところは修正され、なぜリベラルアーツが必要なのか、どうやっていかすものなのかを理解できました。話題としての教養ではなく、そこから着想を得たり、新たな視点にしたり、現在を歴史の一部と捉えたり。

私は頭が凝りかたまっていて、ものごと一つ一つに線を引いて分けてしまいがちなのですが、もっと横断的に考えられるようにトレーニングしなきゃなあと焦りました。たくさんのものごとを見て知っていくだけでも、考え方は広がっていくし、自然と知識をつなげていけるものなのだろうか。

 

また、ただ広く浅く学んでもあまり意味がないよなとも最近感じています。やっぱりパワフルで優秀なひとって、興味を持って深堀していっている気がする。努力は夢中に勝てないと言うけれど、いちいち夢中になれる体力・精神力のトレーニングも私に必要なものの一つだなと思いました。やっぱ座禅?

 

 

◯やること

 

・オンラインでの交流

今回の講演はPeatixというサービスで見つけました。外出自粛が続く中、オンラインでの機会が増えていて、これを活かさないわけにはいかない。

セミナーでも、Web面談でも、双方向のコミュニケーションが取れるものを選んでいこうと思います。(動画視聴は満足感があるものの、理解度が浅くなる気がしていて少し苦手です。)インプットした気になって、頭でっかちになって、その割に語れはしないという状態にならないように、アウトプットする場に出て行こう。

 

・並行読書を続ける

バランスよく。音楽美術に精通する人はかっこいいよなーと、「トヨトミの野望」を読んでも、会社の大先輩と話しても思ったので、ちょこっとずつでも勉強します。いっきにまとめ本読むより、ひとつひとつが深堀してある本にしよう。

 

・英語の勉強

数日前から始めましたが、中学英語からやりなおしています。ひとつの言語しか使わないということは、2つのリスクがあると考えるようになってきました。この気付きは構造主義の本を読んだ影響をうけてのもの。

情報源が限られて一方向からしかものごとを知ることができなくなるリスクと、 その文化圏特有のものごとの見方に縛られてしまうというリスク、他国の言語を学ぶことで少しでも減らせるといいなー。

 

 

 

 おしまい。

本『スマートシティ・ビジネス入門』-スーパーシティとの違い

 

2012年の本で、いまさら入門なんてどうかと思いつつ読みました。

ちょうどいまスーパーシティも話題になってるし、読み終われてよかった。

 

○著者

望月洋介

 日経BP社日経BPクリーンテック研究所長、Smart City Week委員長。2012年1月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)  

望月洋介|プロフィール|HMV&BOOKS online

 

○内容

 

1.背景

 

都市部の爆発的な人口増加。1950〜2050年の100年間で、世界人口は20億人から90億人になり、都市人口比率は急上昇している。

特に日本では高度経済成長の時代に都市化が進んだため、インフラの老朽化も課題になってきている。

 

 

2.各国のプロジェクト

 

スマートシティには明確な定義はない。関連する業界も多岐に渡る。

キーワード:

スマートグリッド(電力IT)

再生可能エネルギー

・次世代自動車(カーシェアリング含む)

 

国ごとに目的が異なる。インフラを整えた上に新たなビジネスを目論むアメリカ、環境負荷低減を目的とするヨーロッパ、住むところを作るための中国…等。

2012年地点で4000兆円の市場のポテンシャルがあると考えられていて、各国が力を入れて活動していたのも納得です。(世界スマートシティ総覧2012)

 

アメリ

電力事業者に加えて、IBMciscointel等IT企業がプロジェクトの主体。スマートメーターを普及させ、新たな産業を興す。

 

・ヨーロッパ

企業よりも都市が先導する。

広域プロジェクトの代表は、デザーテック(サハラ砂漠にて太陽光発電風力発電、送電して欧州の使用電力を補う)。

 

・中東、北アフリカ

原油は資源として出荷するため国内ではあまり使用できず、エネルギー不足が深刻化。

マスダール・シティ」を契機にプロジェクトが広がる。

 

シンガポール

国家戦略として都市開発ソリューションを海外へ輸出する目論み。

一例として、水ビジネスでは、研究機関を集めたり、国際会議(SIWW)を開催しビジネスを生んだりしていて、つぎにエネルギーやスマートシティに焦点を当てている。

 

・その他

インド、インドネシア、韓国、ブラジルに関しても記載ありましたが省略。

 

・日本

実証実験の取り組みが2010年スタート。横浜市北九州市豊田市関西文化学術研究都市にて。

 

***

 

私の地元北九州は公害を乗り越えた町として知られますが、そこで「北九州スマートコミュニティ創造事業」というのが行われていたそう。知らなかった。日本製鉄が持っていた電力線を使って、電力料金を変更。

 

https://www.smart-japan.org/english/vcms_cf/files/Kitakyushu_Project_Japanese.pdf

 

***

 

環境=温暖化対策というだけでなく、雇用創出や高齢化対策等、日本の将来に向けた課題対策を行っている。ただし個別の都市で取り組んでおり、その連動性は薄い。

 

 

 

3.実現に向けた課題

 

・モノ売りではなくビジョン・ライフスタイル提案を 

行政主体ではなく民間主体となるために、事業化を進める必要がある。しかし日本の企業が海外に提案するのは各技術(例えば監視機器そのもののクオリティの高さをアピールする)に偏り、ビジョンを掲げることができていない。

 

・情報戦

日本の情報力の弱さを、筆者は懸念しています。

情報を集める力と発信する力。提案力の不足。専門家は日本の技術を認めているが、スマートシティ構想に関わる政府や自治体、市民には認識されていない。企業も良い製品を作れば売れるという考え方を捨てきれていない。例えば電子部品産業の紹介を日本語と英語のみで行っており、中国語がないとか。

また、日本企業が海外展開するときに「ヒト」「モノ」「カネ」は送り込むけれども、「情報」が足りていないと筆者は言います。これはこないだのコンサルの本に書いてあった通り、「企業のグローバル展開は①海外に拠点がある、②海外拠点と情報のやり取りがある、③海外拠点とノウハウのやり取りがある、④海外拠点と人のやり取りがある」

の順に進むのに、日本は2つめのフェーズでつまずいています。はやくフェーズを進めないといけない。

 

ただ、ISOで実質的に規格を決定する組織SC1の幹事国・議長を、日本が永久的に務めることになっているそうで、これは強い。

  情報の大切さ・トップに躍り出ることで世界標準化を主導できる、それによりその国の企業は有利になるといった話はトヨトミの野望でも語られていました。事実をもとにした小説なので、さすが現実に即していますね。

 

 

 スーパーシティはこちら。

スマートシティが要素技術先行であったり、結局街づくりそのものにアプローチできていなかったりしたのを、もっと住民まで含めた動きにしていこうという感じ。

 

www.kantei.go.jp

 

○感想

 

2012年当時各国がスマートシティに注目していたのがわかりました。

 

ちなみに福岡市での取り組みはこちらで書きました。

 

かなり古い本でしたが、基本的なことは理解できました。たくさんのプロジェクトの事例が載っていましたが、それらが現在どうなっているか調べることがなかなか難しい。(始まりは大々的に発表するものの、経過はあまり開示されない?)

 

もうちょっと近い時期に書かれた本を探してみます。

 

 

 

スマートシティ・ビジネス入門 4000兆円市場への挑戦

スマートシティ・ビジネス入門 4000兆円市場への挑戦

 

 

 

 

 

本『輝く社会のための女性活躍推進ハンドブック』

 

新卒採用に関わるなかで、知識が全然足りないなあと思ったので読みました。自分が大学生だった頃を思い出してみたり。

 

◯著者

清水レナ

株式会社CHANCE for ONE代表取締役社長

立命館大学経済学部卒業後、(株)リクルートコスモスに入社し経営トップの秘書として従事。2002年マンパワー・ジャパン(株)に移りキャリアコンサルタントとして人材マッチングに従事。その後、(株)コーチ・エィにてビジネスコーチとしてビジネスリーダー、マネジメントへのコーチング、企業研修に従事。2010年個人事務所設立を経て、2012年(株)CHANCE for ONEを設立し代表取締役社長就任。

www.chanceforone.jp

 

 

 

◯内容

 

①なぜいま女性活躍推進なのか?

 

2014年、安倍首相が経団連に女性管理職・役員の登用を増やすよう要請、経団連会員企業の女性活躍推進に対する自主計画が続々と発表されました。また、同年女性活躍推進法が制定されました

その背景には、労働人口の減少があります。少子高齢化が進み、労働人口に対する高齢者の割合が増えれば、税金や社会保険料の負担が増えます。ではどうするか、未就労の女性の活用により労働人口を増やそう、という流れがあります。

 

そこで「2030」、2020年までに女性管理職の比率30%まで高めようという目標を、内閣府が掲げました。(※2019年度の結果を調べてみたけれど、平均7.7%と未達ですが。)

単純に労働人口を増やすだけであれば、管理職・役員登用は不要と考えられるかもしれませんがそうではありません。

 

女性の役員を増やすためには?

女性の管理職を増やし育てる。そのためには?

※中途人材は市場に少ないため競争率が高くコスト大。

女性の総合職を増やし育てる。そのためには?

女性の正社員を増やし育てる。そのためには?

女性の採用人数を増やす。また、非正規雇用を正社員に引き上げる、退職した女性を再雇用する等。

 

女性役員・管理職の人数を増やすことが義務化されると、多くの企業がこのように動き、その結果女性の総労働人口が増えるという考えです。

 

(どの会社も女性管理職比率を上げなければならなくなると、中途人材のコストが上がるというのが面白かったです。私の勤め先の中途女性役員も、相当お金もらってるんだろうな。先人がいない時代に、生き抜いてきた人はやっぱり強いし求められますね。)

 

 

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p190803.pdf

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p190803.pdf

 

(マイノリティも30%を超えると発言の影響力が増す。これは『女性のいない民主主義』でも書いてありました。政治でも企業活動でも同じね。)

 

また、女性活躍推進の効果として、少子化対策だったり(世界を見れば女性の就業率が高いほど出生率が高い)、男性社員にとっても働きやすい環境になったりといったものが挙げられます。

 

しかし、国としてもジェンダーギャップ121位(153カ国中)、そもそもの女性正社員・総合職・管理職候補生が少ない環境もあり、これまで女性活躍推進は実現しませんでした。

www.gender.go.jp

 

 

②実現のためにはどうしたらいいか?

 

1.「昇進意欲」と「時間的制約」で分析

 

自社の社員がどのタイプか、タイプが変化しているか、その原因はなにかを分析する。

例えば入社時昇進意欲あり・時間的制約無しという条件に男女差がなかったものの、30代社員を調査すると女性のみ昇進意欲無し・時間的制約ありに変わっているとする。

この原因は時間的制約があると昇進できない(減点対象となる)という制度上の問題にあるのか、管理職になると長時間労働しなければならなくなるというデメリットがあるからなのか等分析する。

※女性が時間的制約ありになるのは、結婚や出産、介護といった家庭内の性的役割分業の影響もあるけれど、これは別の本でまた勉強する。

 

 

 

2.採用・定着・登用のどのレベルで問題が起きているか分析

 

例えば入社当初から昇進意欲に男女の意識差がある場合は「採用」のフェーズに問題がある。

入社当初は差がなかったのに、年次が上がると差が生まれている場合は「定着」に問題がある。

年次が上がっても意欲が高い女性がいても、管理職になっていないのであれば「登用」に問題がある。

 

3.問題を細分化する

 

問題をより具体的なものにする必要があります。「女性が機会を得にくい」「女性が登用されにくい制度である」「女性自身の意識が醸成されていない」1、2で分析した問題の原因はどれに当てはまるのか。

 

具体的には、女性には難しいしごとを任せないといった機会損失が起きていないか、長時間労働ではなく生産性で評価する制度になっているか、スーパーウーマンをロールモデルにおいていないか(私にはできない、という意識を持たせる原因になる)等々。

 

また、女性に優しい制度設計(育児休暇や時短勤務等)は、細く長く働きたい女性には有効だが、昇進意欲のある女性にとってはあまり価値がない。

 

 4.具体的な施策

 

現状分析し問題がわかったら、それに対して施策を打ちましょう。

内容は細かくなるので割愛。

 

 

◯感想

 

 関係する本をいくつか読んだから重なるところもあったけれど、この本も情報が整理されていていい感じ。

この本では経営・人事に対して女性活躍推進のやり方を書いていたけれど、個人としては会社がこういう動きをするのを待っているのではなく、「機会を得にいく」「制度を知って使えるようになる」「意識を育てるために動く」のが当然必要だなあと感じました。もちろん人事側にいる間は、会社を変えるために動く。

 

また、管理職を目指す女性へのメッセージがよかったです。両立支援制度を活用しすぎることの落とし穴に気をつけて、というもの。家庭優先の人という「レッテル」を貼られることになるから。

 

 

それからやっぱり思うのはこれ。

 『もし世の中がジェンダーバイアスのない場所だったなら、それだけの時間を私は自分が好きなことの追求や、もっと多くの作品を生み出すことに注げたのに』。

女性であるだけで、ジェンダー問題に時間を取られるという実際的な不利益がある。

『考えなくても問題なく生きられるのは、あなたが差別する側だからです。』

  

begin2019.hatenablog.com

 

 

大学生の頃、理系女性の働き方・生き方ってどんなものがあるのだろうかと調べては迷走していました。大学のツテを使って出会えた先輩達は、仕事と育児と家事すべてをこなすパワーウーマンや、大学に泊まり込みして水道水で髪を洗って研究に没頭していた、なんていう超個性的な教授となんだかロールモデルにはならない方が多かったのです(当時10〜20歳上の方たちだったので、彼女たちの時代にはそのくらいの強さがないと生き残れなかったのかもしれない)。

 

私にはそんな強さはないけれど、それでも生き残るためにはどうしたらいいのかと考えた結果、大学生の私が出した答えは「したたかに生きる」でした。21歳の決断として絶望的。自分が働くことになる場所(≠会社)が男性社会であることを認めて、そのなかでうまく立ち回ろうというのは、女であることを理由にした諦めと同じです。ただ、完全には諦めていなくて、どうにかして変えられないかという思いは持ったまま入社しました。そこで今、少しだけ声をあげられる、聞いてもらえる機会を得ました。

 

鼻息荒く声を上げ続けるのは、非難されるし無視されるし、間違っている場合には恥をかくしとつらいけれど、せっかくチャンスを得たのでそれを最大限活かしていきたい。

 

21歳の頃の私のためにも、あと2ヶ月がんばろう。悶々と悩んでいた頃から、たった5年で発言する機会を得られたことに感謝しよう。でも5年前と変わらず、「発言に説得力をつけるためには、本業で成果を出さなければいけない。」この考え方を忘れずに本業もがんばる。

今5年前を振り返って、間違いもあったけど一生懸命だったなあと思うように、5年後の自分が今を思い出してくれたら嬉しい。

 

 

◯やること

 

・しごと 

上司に意見をまとめて提出してみたのですが、議論するだけで行動に繋がるようには思えません。時間はないけどどうやったら少しでも状況を変えられるのか、議論しつつ考えていく。

 

・自分のキャリア

私はどこで勝負していきたいのかを明確にしたいけど、まだ全然想像ができないので、まずその判断材料となるよう情報を集める。ぼんやりとでも理想が見えてきたら、その実現をいつまでにするか決める。

 

 ・ブログ

文章だけだと整理がしにくいので、ブログにも表とか図とか入れようかな。手間がかかりすぎるのは嫌なので、兼ね合いを考えつつ・・・。

 

 

おしまい。

 

輝く会社のための 女性活躍推進ハンドブック

輝く会社のための 女性活躍推進ハンドブック

  • 作者:清水レナ
  • 発売日: 2015/06/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

関連

本『トヨトミの野望』-熱量を行動に変える

 

4年前に出版されたものをいまさらですが読みました。めちゃくちゃ面白かった!

 

○内容

 

トヨタ自動車をモデルにした小説。

どこまでが事実で、どこからフィクションなのか分かりませんが、そこも想像しながら読むと面白い。

 

※モデルとされた人一覧はこちら

 

前半はサラリーマン社長、武田剛平(モデルは奥田碩氏)、後半は創業一家の豊臣統一(モデルは豊田章男氏)が社長として、どんな活躍をしたのか、その背景には何があったのかが描かれます。 

 

武田の社長就任は1995年。28年ぶりに創業家以外から就任し、その後4年で大改革を起こします。ハイブリットカー「プリウストップダウンによる判断で発売したり(世界で一番先に出すことに意味があった)、F1へ参戦したり、ダイハツの子会社化や、役員19名のうち17名を総入れ替え等。

 

宗教のような会社と資本主義の流れ、民間企業と国の繁栄、財閥との政治結婚、叩き上げと二世、子会社化、海外展開では政府を押さえる、中国のプライド、国益に敏感で狡猾な米国。海外育ちのエリートや創業一家ということで実力を軽視される息子等、ドラマチックな舞台に、生々しい人の感情が描かれていて、まさに「事実は小説より奇なり」。

 

出てくる人物たちがみんな強い。個性もだし、しごとや会社に対する熱意、執着が強い。

経理から海外に飛ばされるが返り咲く元社長(武田剛平)、強力な支配力を持ち統一の父である元会長(豊臣新太郎)、創業一家の血を引くことが強みとなり足枷となる現社長(豊臣統一)、色男で問題を起こしがちだが腕前は抜群のロビイスト(堤雅也)。。。

 

そして社内の様子には日本企業らしさがたくさん見える。天下りの社員がいることや、自工と自販の合併後本流の自工は傍流の自販出身を蔑んだり、“器じゃない”役員がいたり。現場の人間は、昔の社員はもっと現場に来ていたのに今は・・・と言う。これは今の私の勤め先の先輩たちの言うことと似ている。「エンコを詰めた作業員は、これでまた一つ安全装置ができると喜んだ」とか。

 

 随所に女(あえて女性とは書かない)が出てくるのもいい。美人局にやられるマヌケや、若い女好きのやり手。苦労をかけつづけの妻、上流階級の創業一家の嫁。

 

私たちはエンジニアだ、ものづくりの会社なんだ、金儲けのために株を動かしたりしない。社員の雇用は守る!と言いながら、期間工は蚊帳の外というジレンマには、規模の差はあれ日本の企業、同じような問題を抱えていることがわかりますね。

 

辛かったセリフ。

「このまま管理職として朽ち果てていく己の姿が見えるようだ。」

45歳の記者の思いが綴られていました。武田はその頃まだ左遷されマニラにいて、そこから這い上がる強さを持っていたことを思いだし愕然とします。

 

 

 

○感想

 

ひたすらかっこいい。修羅場を超え、辛酸を舐め、自力で登りつめたサラリーマン社長。

なにをやっても実力ではないと言われる創業家の息子の歯痒さもいい。

 

小説のなかで出てくる感情は、屈辱、自己嫌悪、怒り、惨め、悔しい、冷徹、憎悪、、、こういう感情を、熱量を行動に変えられる人がいるから、トヨタは企業として発展したのかなあなんて思いました。

  

あとはやっぱり、自分の中には、社会より家庭、会社より自分を優先する考えしかないんじゃないかと改めて思わされました。つらい。

自己犠牲の精神がない、というよりも、自分が組織に貢献する意識が低いんだろうなあ。エゴしかない、恥ずかしいことです。

 

 

 

まぁ平々凡々な若手としては、巨大企業のトップたちのドラマに憧れつつも、地道に自分のやることをやるしかないなという気分になりました。いややれることは最大限やるけど。

 

今のコロナショックで、勤め先はどう変わるんだろうか。

 

外的

・顧客の予算縮小、計画の延期

・資材調達の遅れ→原料、購入品のコストアップ

・多くの客先に対する売り上げ減(紙や通信関係等は増える?)

・一度停止した設備の再稼働で売り上げ増?

 

 

内的

・テレワークが進む→固定費減

・人材縮小(新卒中途の採用人数減、派遣・契約スタッフ減)

・海外事業会社の売り上げ減

 

 

・・・ぜんぜんわからん。

 

 

○やること

 

 

テキトーな予測をしてしまった。経済誌の予測でも読もう。

リーマンショックの時どうだったのか、社史を読んでみようかな。

 

あとはこの本の続編読みます。

 

 

おしまい。

 

 

トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業

トヨトミの野望 小説・巨大自動車企業

  • 作者:梶山 三郎
  • 発売日: 2016/10/19
  • メディア: 単行本
 

 

 

トヨトミの逆襲: 小説・巨大自動車企業

トヨトミの逆襲: 小説・巨大自動車企業